法定納期限とは、地方税法その他の法令により各税目について定められた、本来納付すべき期限をいう。
差押えをいつから打てるのか、他の債権との優先順位はどこで決まるのか——滞納整理の局面でしばしば問われるのが法定納期限である。これは督促状により指定される納期限とは別物で、各税目につき法令上あらかじめ定められた本来の納付期限を指す。固定資産税のように分割納付が定められた税目では、各納期のうち最初の納期限が法定納期限となる。徴収権の消滅時効の起算点、滞納処分による差押財産が他の債権と競合した場合の優先関係の基準時、第二次納税義務の成立判定など、徴収実務の重要な場面で基準時として機能する。とりわけ国税徴収法を準用する地方税の滞納処分では、抵当権など担保権との優劣がこの法定納期限と担保権設定時期の前後で決まるため、配当計算の出発点となる。督促後に指定される納期限と取り違えると、優先徴収や時効の判断を誤る。
優先徴収の基準時としての役割
地方税は国税徴収法を準用して滞納処分を行うが、差し押さえた財産に抵当権などの担保権が設定されている場合、税と担保権付債権のどちらを先に配当するかは、法定納期限等と担保権設定時期の前後で決まる。すなわち、担保権の設定が法定納期限等より前であれば担保権が優先し、後であれば税が優先する。この「法定納期限等」は、本来の法定納期限に加え、修正申告や更正・決定があった場合の特則を含む概念であり、配当計算の出発点となる。督促により指定される納期限ではこの判定はできないため、滞納整理担当は両者を厳格に区別する必要がある。
消滅時効・第二次納税義務との関係
地方税の徴収権は、原則として法定納期限の翌日から起算して5年間行使しないと時効により消滅する。督促や差押えなどがあれば時効は更新(中断)されるが、起算点はあくまで法定納期限を基準とする。また、第二次納税義務の成否や、滞納者から財産の無償譲渡等を受けた者への追及可能な範囲を判断する際にも、主たる納税義務の法定納期限が基準時として参照される。法定納期限は、単なる納付の締切ではなく、徴収権の存続期間と優先順位を画する法的な基準点なのである。
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