議員失職とは、地方自治法等が定める一定の事由が生じたとき、地方議会の議員が本人の意思とかかわりなく当然に議員の職を失うことである。
議員が任期の途中で職を失うのは、自ら辞めるときだけではない。議員失職は、被選挙権の喪失、兼職禁止規定への抵触、住所要件の喪失など、法律が定める事由が生じたときに、本人の意思に関係なく当然に議員の地位を失うことをいう。地方自治法は、議員が被選挙権を有しなくなったとき、また兼職や兼業の禁止規定に該当したときに職を失うと定め、その該当の有無に疑いがあるときは議会が出席議員の3分の2以上の多数で決定するとしている。選挙犯罪による当選無効や連座制の適用も失職の原因となりうる。失職は欠員を生じさせる点で辞職と共通するが、辞職が本人の意思に基づき許可を要するのに対し、失職は法定事由の発生によって当然に効果が生じる点で性質が異なる。失職をめぐっては、その判定が争われ訴訟に発展する例もある。
失職事由の判定
被選挙権の喪失や兼職禁止規定への該当といった失職事由について、その有無に疑いが生じたときは、地方自治法第127条に基づき議会が出席議員の3分の2以上の多数によって決定する。住所要件を満たさなくなった場合や、地方公共団体に対し請負をする者に当たる場合などがこの判定の対象となる。この決定に不服があるときは、決定を受けた議員は審査の申立てや訴訟によって争うことができる。失職の判定は議員の身分にかかわる重大な効果を持つため、特別多数による議決と不服申立ての道を併せて定め、慎重な手続が確保されている。
失職と当選無効・連座制
公職選挙法上の選挙犯罪により当選が無効とされたとき、また候補者本人やその関係者が一定の選挙犯罪で処罰されて連座制が適用されたときも、議員はその地位を失う。これらは議会内部の規律ではなく、選挙の公正を担保する選挙制度の側面から議員の地位に影響するものである。連座制では、総括主宰者や出納責任者、一定の親族などが買収などで処罰されると、候補者本人が直接関与していなくても当選が無効となる。失職は、議会運営上の事由と選挙制度上の事由の双方を原因として生じる点に特徴がある。
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