ジチテン

団体自治

読み:だんたいじち

意味

団体自治とは、地方の行政を国から独立した地方公共団体が、自らの意思と責任で処理することをいう。住民が地方の政治に参加する住民自治と並んで、地方自治を支える二つの要素の一つとされる。

「地方自治の本旨」という憲法の言葉は抽象的だが、それは団体自治と住民自治という二つの柱で説明される——制度設計の議論はこの二分から出発する。団体自治は、国から独立した法人格を持つ地方公共団体が、国の指揮監督に服さず自らの権限と責任で地域の事務を処理するという、国・地方の関係に着目した側面である。これに対し住民自治は、その地方公共団体の運営が住民の意思に基づいて行われるという、団体内部の意思決定に着目した側面である。両者がそろって初めて憲法のいう地方自治が成り立つとされ、団体自治は対外的(国に対する)自律、住民自治は対内的(住民による)自律と整理できる。自治体の権限拡充や国の関与のあり方を論じる場面では団体自治が、住民投票情報公開・住民参加を論じる場面では住民自治が、それぞれ議論の枠組みとして用いられる。

団体自治と住民自治——地方自治の二つの側面

憲法第92条は地方自治について「地方自治の本旨に基いて」法律で定めるとするが、その「本旨」の内容は、講学上、団体自治と住民自治の二つで説明される。団体自治は、地方の事務を国から独立した地方公共団体が自らの責任で処理するという、対外的・自由主義的な側面である。住民自治は、その団体の運営が住民の意思に基づいて行われるという、対内的・民主主義的な側面である。両者は車の両輪であり、団体自治があっても住民の関与を欠けば中央集権の出先と変わらず、住民自治を唱えても国の強い統制下では実質を伴わない。地方自治制度の評価は、この二側面がどれだけ実現しているかで論じられる。

団体自治を支える制度と国の関与

団体自治は、地方公共団体が独自の権限を持ち、国の関与を受けずに事務を処理できることで具体化される。これを支えるのが、条例制定権(自治立法権)、独自に予算を編成し課税する自治財政権、組織を定める自治組織権などである。一方で、国と地方が無関係でいられるわけではなく、国は法律の範囲で一定の関与を行う。1999年の地方分権改革は、上下・主従だった国・地方関係を見直し、機関委任事務を廃止して国の関与を助言・勧告是正の要求是正の指示などに類型化・限定し、関与をめぐる争いには国地方係争処理委員会を設けた。これらは、国の過剰な統制から自治体の自律を守り団体自治を実質化するための仕組みと位置づけられる。

つながりのある用語

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)