ジチテン

住民自治

読み:じゅうみんじち

意味

住民自治とは、地方公共団体の運営が、その地域の住民の意思に基づいて行われることをいう。国から独立して地方が事務を処理する団体自治と並んで、地方自治を支える二つの要素の一つとされる。

選挙だけでなく、住民投票直接請求情報公開パブリックコメントといった住民参加の制度は、なぜ地方にこれほど厚く用意されているのか——その根拠を与えるのが住民自治の理念である。住民自治は、地方の政治・行政がその地域の住民の意思に基づいて行われるという、団体内部の意思決定に着目した地方自治の側面である。国から独立して地方が事務を処理する団体自治が「対外的な自律」を指すのに対し、住民自治は「対内的な民主主義」を指す。住民自治を具体化する制度には、首長・議員を住民が直接選ぶ選挙、条例の制定改廃や議会の解散などを求める直接請求、特定の重要政策を住民に問う住民投票、財務会計の違法を正す住民監査請求住民訴訟などがある。自治体が住民参加・情報公開・協働を進めるとき、その理念的な裏づけとして住民自治が語られる。

住民自治と団体自治——地方自治の二側面

地方自治は、講学上、団体自治と住民自治の二つの要素で説明される。住民自治は、地方公共団体の運営がその住民の意思に基づいて行われるという、対内的・民主主義的な側面であり、団体自治は、国から独立して地方が自らの責任で事務を処理するという、対外的・自由主義的な側面である。住民自治があっても国の強い統制下にあれば住民の意思を実現する権限を欠き、団体自治があっても住民の関与を欠けば自治の名に値しない。両者がそろって初めて憲法のいう地方自治の本旨が満たされるとされ、住民参加や情報公開を論じる場面では住民自治が、国の関与権限移譲を論じる場面では団体自治が、議論の枠組みとして用いられる。

住民自治を支える参加・統制の制度

住民自治は、住民が地方の政治・行政に参加し、これを統制する具体的な制度によって実現される。代表的なものに、首長・議員を直接選ぶ選挙、有権者の一定数の署名で条例の制定改廃・事務監査・議会解散・首長等の解職を求める直接請求、重要政策について住民の意思を直接問う住民投票がある。財務会計面では、違法・不当な財務会計行為について監査を求める住民監査請求と、それを経て提起する住民訴訟が住民による統制の手段となる。さらに、情報公開請求やパブリックコメント、各種の住民参加・協働の仕組みも、住民が行政の判断過程に関与し意思を反映させる回路として、住民自治を日常的に支える制度に位置づけられる。

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