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ジチテン

第三者行為求償

読み:だいさんしゃこういきゅうしょう

別名:第三者行為による傷病届
意味

第三者行為求償とは、交通事故等の第三者の行為による傷病について医療保険や介護保険の保険者が給付を行った場合に、保険者が被害者の持つ損害賠償請求権を給付額の限度で取得し、加害者側へ請求することをいう。

交通事故でけがをした人が保険証を使って治療を受けたとき、その医療費を最終的に負担すべきは誰か。本来の負担者は加害者であり、保険者が立て替えた給付費を加害者側から取り戻す手続が第三者行為求償である。国民健康保険法第64条、介護保険法第21条、高齢者の医療の確保に関する法律第58条等は、保険者が給付を行ったときは、その価額の限度で被害者が第三者に対して持つ損害賠償請求権を取得すると定める。被保険者には第三者行為による被害届の提出が義務づけられており、市町村はこの届出や医療機関からの連絡、レセプト点検での外傷性傷病の抽出から事案を覚知する。実際の損害賠償額の算定や保険会社との折衝には専門性が要るため、求償事務は国民健康保険団体連合会へ委託するのが一般的である。対象は交通事故に限らず、傷害事件、他人の飼い犬による咬傷、飲食店での食中毒等も含まれ、取りこぼせばその分の給付費が保険財政から流出したままになる。

示談の落とし穴と届出の励行

第三者行為求償で最も注意を要するのは示談の扱いである。保険者が取得するのは被害者本人の損害賠償請求権であるため、被害者が保険者への相談なく加害者と示談を結び、賠償請求権を放棄してしまうと、保険者はその範囲で求償できなくなる。示談の前に必ず保険者へ連絡するよう被保険者に周知することが、窓口での第一の防御線になる。実務の入口は被害届の提出だが、事故直後の被保険者が届出義務を知らないことは珍しくなく、損害保険会社が治療費を一括払いしている事案では保険証自体が使われず覚知が遅れることもある。市町村は、保険証使用の申出があった時点での聞き取り、レセプト点検による外傷性傷病の抽出、警察や損害保険会社からの照会対応を組み合わせて事案を把握し、必要書類(事故発生状況報告書、念書等)を整えたうえで国保連の求償事務に載せる。届出から回収まで年単位の時間を要することもあり、時効管理を含めた継続的な進行管理が要る。

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