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ジチテン

昼間人口

読み:ちゅうかんじんこう

意味

昼間人口とは、ある地域の常住人口から通勤・通学で他地域へ出ていく流出人口を差し引き、他地域から通ってくる流入人口を加えた人口である。国勢調査の従業地・通学地集計から算出され、常住人口を意味する夜間人口と対で用いられる。

住んでいる人の数だけを見ていては、平日の昼にその街に実際にいる人の規模を見誤る。都心の業務地区には夜間人口の何倍もの就業者と通学者が毎日滞在し、道路や上下水道、ごみ処理、帰宅困難者対策といった行政需要は居住者数に比例しない。東京都千代田区のように夜間人口の10倍を超える昼間人口を抱える極端な例もあれば、昼間は人が減る郊外の住宅都市もある。両者の関係を示す指標が昼夜間人口比率(昼間人口÷夜間人口×100)で、100を超えれば流入超過の「働く街」、下回れば「住む街」と読める。注意したいのは、この数字が反映するのは通勤・通学だけで、買い物客や観光客、出張者は含まれない点である。防災計画や都市計画、商圏分析の基礎数値として使われ、とりわけ帰宅困難者対策では昼間人口こそが守るべき母数になる。

税は夜間に、需要は昼間に——大都市財政の古典的論点

行政サービスの需要は昼間人口で発生するのに、個人住民税は居住地で課税され、普通交付税測定単位国勢調査の常住人口を基本とする。昼夜間人口比率が高い都心区ほど、道路・救急・防災の負担と税源配分のずれが大きくなり、これが都区財政調整制度や法人課税の配分をめぐる議論の背景にある。2011年の東日本大震災では首都圏で大量の帰宅困難者が発生し、東京都は2013年に帰宅困難者対策条例施行して、事業者に従業員の一斉帰宅の抑制と3日分の備蓄を求めた。守るべき母数を夜間人口でなく昼間人口で見積もるという発想の転換が、この条例の前提にある。

映らない人々——観光客・買い物客・テレワーク

従業地・通学地集計が捉えるのは「ふだん」の通勤・通学のみで、観光客・買い物客・イベント来場者・入院患者は昼間人口に入らない。繁華街や観光地の実際の滞在者はこの統計より桁違いに多いことがあり、携帯電話の位置情報を使うモバイル空間統計などの流動人口データで補うのが実務の定石になっている。テレワークの普及はこの統計の読み方も変えた。2020年国勢調査は感染症下の通勤実態を映しており、都心区の昼間人口は従来の傾向と単純には比較できない。昼間人口は「定期的に通う人」を数えた人口だという定義に立ち返り、目的に応じて滞在人口や交流人口と使い分けることが分析の出発点になる。

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