交流人口とは、その地域に住む定住人口に対し、観光・通勤通学・買い物などでその地域を訪れる人々を指す、地域の活力をとらえる概念である。
その地域に住む人を増やすことが難しくても、外から訪れる人が増えれば、宿泊・飲食・買い物で地域にお金が落ち、にぎわいが生まれる。交流人口は、こうした「住んではいないが訪れる人」を地域の支え手としてとらえる考え方である。
観光客を中心に、通勤通学者や買い物客なども含めて把握され、人口減少のなかで定住人口の減少を補う発想として地域振興の柱に置かれてきた。ただし訪れる人は消費はしても地域づくりの担い手にはなりにくく、その限界をきっかけに、継続的に地域と関わる関係人口という概念が立てられた経緯がある。
観光入込客数で測る「訪れる人」の経済効果
交流人口は、観光庁が定めた共通基準による観光入込客数などを手がかりに把握される。定住人口が減れば地域内の消費も細るため、その減少分を訪れる人の消費で補うという発想が、人口減少下の地域経済政策を支えてきた。観光庁の試算では、定住人口1人が1年間に地域で使う消費額は、旅行者でいえば宿泊客や日帰り客の数十人分の消費に相当するとされ、交流人口の拡大が定住人口の減少を一定程度埋め合わせる根拠として用いられる。観光やイベント、特産品の販売で外からの消費を呼び込む施策は、この交流人口の経済効果を見込んだものである。
一過性ゆえの限界が関係人口という次の概念を生んだ
交流人口は消費による経済効果をもたらす一方で、その関わりは一度きりの訪問にとどまりやすく、地域づくりの担い手にはなりにくい。観光客がいくら増えても、地域の課題解決や活動の継続を担う人が増えるわけではない。この「定住人口は増やせず、交流人口は一過性」という二分法の隙間に光を当てたのが関係人口である。移住には至らないが地域に繰り返し関わり続ける層を担い手としてとらえ直す関係人口の概念は、交流人口の限界が意識されたからこそ立てられた。交流人口と関係人口は、訪れる人を消費の主体とみるか継続的な関わりの主体とみるかという視点の違いで対をなす。
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