地域プロジェクトマネージャーとは、市町村が地域の重要プロジェクトの実施のために任用し、行政、民間、地域、外部の専門人材の間を橋渡しする「ブリッジ人材」である。総務省が2021年度(令和3年度)に創設した制度で、任用の経費は特別交付税措置の対象となる。
外部から優秀な人材を呼んでも、行政の理屈と地域の事情の間で空回りして成果につながらない——地域おこし協力隊や企業人材の活用が広がるほど、この「つなぎ役の不在」が課題として浮かび上がってきた。地域プロジェクトマネージャーはその隙間を埋めるために設けられた制度で、観光地域づくりや廃校活用、デジタル化のような市町村の重要プロジェクトについて、関係者間の調整とマネジメントを専任で担う人材を任用する。特別交付税措置は1市町村当たり1人、年間650万円を上限とし、地域おこし協力隊より高い処遇を可能にすることで、プロジェクトマネジメントの実務経験者や協力隊OB・OGの登用を想定している。任期や働き方の細部は市町村の設計に委ねられ、会計年度任用職員としての任用や兼業人材の登用など形は地域ごとに分かれる。集落支援員や地域おこし企業人と並ぶ総務省の外部人材メニューの一つだが、特定プロジェクトの推進に焦点を当てる点で、定住や集落維持を軸とする他の制度と役割が異なる。
他の外部人材制度との使い分け
総務省の外部人材施策には、都市住民が移住して地域協力活動を行う地域おこし協力隊、集落の見守りと話し合いを促す集落支援員、企業の社員の派遣を受ける地域おこし企業人(現行名称は地域活性化起業人)などがあり、地域プロジェクトマネージャーはその中で唯一、個別プロジェクトのマネジメントを任務の中心に据える。特別交付税の上限650万円は協力隊員の活動経費より高い水準に設定され、報酬面で専門人材を確保できるようにした設計である。適した人材像は、行政と民間の双方の言葉を理解しプロジェクトを段取りできる経験者で、協力隊の卒業生、地域商社やDMOの実務者、副業・兼業で関わる都市部人材が典型になる。導入時の留意点は、任せるプロジェクトの範囲と権限を要綱や任用条件で明確にしておくことで、「何でも屋」として便利使いされると本来のブリッジ機能が働かず、短期間での離職につながりやすい。制度を活かしている市町村は、プロジェクトの目標、決裁のライン、関係者の中で誰が何を決めるかをあらかじめ文書化してから公募に踏み切っている。
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