地域おこし企業人とは、三大都市圏の民間企業の社員が、その専門知識やノウハウを活かして一定期間、過疎地域など条件不利地域の地方公共団体で地域活性化に従事する総務省の制度である。
都市部の企業が持つ専門人材を、出向や派遣のかたちで地方の役所に呼び込む仕組みがこれである。なぜ必要かというと、地域おこし協力隊が個人の移住・定住を前提とするのに対し、企業に蓄積された経営・マーケティング・ITなどの専門ノウハウを、企業籍を保ったまま地方へ移転させたい場面があるためである。具体的には、三大都市圏に本社を置く企業の社員を、過疎地域等の市町村・都道府県が受け入れ、地域ブランドの開発、販路開拓、観光振興、企業誘致などの業務に従事させる。受入自治体には受入経費が特別交付税で措置され、企業側は社会貢献やフィールドでの人材育成の機会を得る。期間は数か月から数年で、フルタイム型のほか、月数日のテレワークを含む柔軟な関与もある。地域おこし協力隊が個人を呼ぶのに対し、こちらは企業の組織力・人脈ごと呼び込む点が違いになる。
地域おこし協力隊との違い
両制度はともに総務省の外部人材活用施策で特別交付税の対象だが、呼び込む対象が異なる。地域おこし協力隊は都市部の個人を地方へ移住させ、隊員として委嘱し、任期後の定住・起業まで見据える。地域おこし企業人は三大都市圏の企業に在籍する社員を、企業籍を保ったまま受入自治体で従事させ、企業が持つ専門ノウハウや人脈を地域へ移す。協力隊が「人を移住させる」のに対し、企業人は「企業の力を借りる」設計で、定住は必ずしも前提としない。担う業務も、協力隊が地域協力活動全般に及ぶのに対し、企業人は派遣元企業の強みを活かした専門業務(販路開拓、観光、DXなど)に寄りやすい。自治体が外部人材を検討する際は、移住者個人が欲しいのか企業の組織力が欲しいのかで使い分ける。
受入の仕組みと財政措置
受入主体は過疎地域等の条件不利地域に該当する市町村・都道府県で、三大都市圏に本社のある企業との間で協定や派遣契約を結ぶ。従事する業務は地域ブランドづくり、特産品の販路開拓、観光振興、企業誘致、移住促進など地域活性化に資するものとされる。受入に要する経費は特別交付税で財政措置され、関与の形態はフルタイムの常駐のほか、週・月単位の短時間やテレワークを組み合わせる柔軟型も認められている。企業側は社員のスキルアップやCSRの機会として、自治体側は予算規模を抑えつつ専門人材を確保できる手段として活用する。
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