在籍専従とは、職員がその身分を保有したまま、任命権者の許可を受けて職員団体の業務にもっぱら従事することをいう(地方公務員法第55条の2)。
職員団体の運営や交渉を担う役員が、本来の職務と組合業務を同時にこなすのは難しい。在籍専従は、職員の身分を残したまま職務に従事せず職員団体の業務に専念することを任命権者が許可する制度で、許可を受けた期間中はその職員に対し給与は支給されず休職者として扱われる。専従できる期間には法律上の上限が定められ、その期間は退職手当の算定基礎となる勤続期間に算入されないなど、職務に従事しないことに伴う処遇上の制約が伴う。許可を与えるかどうかは任命権者の裁量に委ねられ、専従役員の数や許可の取消事由が条例・規則で整理される。職員団体の交渉や活動と職務専念義務の関係を理解するうえで、勤務時間中の組合活動を限定的に認めるながら条例とあわせて押さえるべき制度である。
給与不支給と休職としての取扱い
在籍専従の許可を受けた職員は、職員としての身分は保持するが職務には従事しないため、その期間は給与を受けることができず、休職者として取り扱われる。これは職務に従事した対価として給与を支給する給与の原則(ノーワーク・ノーペイの考え方)の帰結であり、専従期間中の生活は職員団体が負担する。専従期間には法律上の上限が設けられ、退職手当の基礎となる在職期間への不算入や、共済・年金上の取扱いなど、職務に従事しない期間であることに由来する処遇上の制約が整理されている。許可は職員からの申請に基づき任命権者が行い、職員団体の登録や役員の地位と結びつくため、登録職員団体であることが前提となる運用が一般的である。
職員団体活動と職務専念義務の境界
在籍専従は、職員団体の活動と職員の職務専念義務の緊張関係を制度的に調整する仕組みの一つである。勤務時間中は職務に専念する義務があり、組合活動のために職務を離れるには法令または条例に基づく根拠が要る。在籍専従はその根拠の一つとして、役員等が職務を完全に離れて団体業務に専念することを許可制で認めるものであり、勤務時間中の一時的な組合活動を限定的に認めるながら条例とは適用場面が異なる。許可の対象・人数・期間を厳格に管理することで、職員団体の自主的な活動を保障しつつ、公務の能率的運営と職員の身分の公正さを両立させることが制度の眼目となる。
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