ジチテン

特殊勤務手当

読み:とくしゅきんむてあて

意味

特殊勤務手当とは、著しく危険・不快・不健康または困難な勤務その他著しく特殊な勤務で、給料で考慮することが適当でないものに従事する職員に支給される手当である(地方自治法第204条第2項、地方公務員法第24条第2項)。

同じ給料表の同じ級でも、感染症患者の搬送、遺体の取扱い、災害現場での応急作業のように給料だけでは報いきれない勤務がある。特殊勤務手当はこうした勤務の特殊性に着目し、従事した日数や回数に応じて上乗せする手当として設けられている。種類・額・支給要件は団体ごとに条例で個別に定めるため、清掃作業・税の徴収・夜間窓口・防疫など項目が大きく異なる。包括的に「○○業務手当」とまとめて支給する運用が監査や住民監査請求で「特殊性が乏しい」と問題視され、人事委員会勧告行政改革のたびに整理・廃止の対象になりやすい点が実務の論点である。

支給要件の「特殊性」をどう線引きするか

特殊勤務手当の核心は、その勤務が「著しく特殊」と言えるかの線引きにある。地方公務員法第24条第2項は給料・手当が職務と責任に応ずるべきことを定め、給料表で評価し切れない特殊性があって初めて手当が正当化される。問題になるのは、本来その職の通常業務に含まれる作業(窓口対応・現場巡回など)に対してまで手当を出している場合で、総務省の調査や住民監査請求で「給料の二重取り」と指摘され是正勧告を受けた例が各地にある。条例・規則で従事の実態(危険・不快・困難の程度、頻度)を要件として明確に書き込み、形骸化した項目を廃止することが、給与制度の透明性確保の上で繰り返し求められてきた。

国の俸給の特別調整額等との違い

国家公務員では危険作業手当・特殊勤務手当が人事院規則で全国一律に定められるのに対し、地方では条例主義(地方公務員法第25条)の下で団体ごとに種類・額が分かれる。そのため近隣団体との均衡や、国・他団体との比較が人事委員会勧告で点検され、均衡を欠く項目は是正の対象となる。職員にとっては、同じ作業でも採用団体によって手当の有無・額が異なることになり、人事交流任期付職員の処遇調整の場面で差が顕在化する。給料表に組み込んで手当を廃止するか、特殊性を明確にして手当として残すかという整理は、給与条例の改正のたびに繰り返し検討される論点である。

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