総合教育会議とは、地方公共団体の長と教育委員会が教育行政の重点施策や条件整備について協議・調整するために、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき長が設置する会議である。
予算編成権を持つ首長と、政治的中立性を保つ教育委員会は、どこで教育政策をすり合わせるのか。その場として2015年施行の改正地方教育行政法で全自治体に設置が義務付けられたのが総合教育会議である。会議は首長が招集し、首長と教育委員会で構成する。協議事項は教育の振興に関する施策の大綱の策定、教育条件の整備など重点的に講ずべき施策、児童生徒の生命・身体の保護等の緊急の場合に講ずべき措置の三つに整理されている。教育委員会の職務権限に属する教科書採択や個別の教職員人事は協議対象から外れ、首長が教育内容に直接介入できないよう線引きされている点が制度の肝である。会議は原則公開で、議事録の作成・公表が求められ、首長部局の企画・教育総務担当が事務を担うことが多い。
設置の経緯と大綱の策定
2014年の地方教育行政法改正により、教育委員長と教育長を一本化した新教育長の創設とあわせて総合教育会議が制度化された。背景には、いじめ重大事態への対応の遅れなどを契機に、住民の代表である首長が教育行政に一定の責任を果たせる仕組みを求める議論があった。会議の中心的な役割は、首長が定める教育の振興に関する施策の大綱について協議・調整することである。大綱は教育基本法に基づく教育振興基本計画を参酌して定め、対象期間や様式に法律上の定めはないため、既存の計画をもって大綱に代える運用も認められている。首長と教育委員会が対等の立場で意見を交わし、地域の教育の目標や根本方針を共有する場として位置付けられている。
協議できる事項とできない事項
総合教育会議で協議・調整するのは、大綱の策定、教育条件の整備など重点的に講ずべき施策、緊急時の措置の三類型である。一方、教育委員会の専権に属する教科書採択、個別の教職員人事、学習内容そのものについては協議対象としないことが原則とされ、首長による教育内容への政治介入を防ぐ歯止めとなっている。協議は調整がついた事項について双方が結果を尊重する義務を負うにとどまり、首長が教育委員会に指揮命令する関係ではない。会議は原則公開し議事録を公表するが、個人の秘密や公益を害するおそれがある場合は非公開にできる。実務では、首長部局と教育委員会事務局のどちらが庶務を担うかをあらかじめ定め、年度当初の予算編成期に開催時期を合わせる運用が多い。
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