教育振興基本計画とは、教育基本法に基づき、教育の振興に関する施策の総合的・計画的な推進のために、国が定め、地方公共団体が定めるよう努める計画である。
教育の施策は、学校・社会教育・生涯学習など複数の分野にまたがり、年度ごとの予算事業を積み上げるだけでは方向性が定まらない。中長期の目標と道筋を示す計画がなければ、施策がばらばらになり成果の検証もできない。教育振興基本計画は、教育施策の基本的な方針と目標を中期的に定め、計画的な推進と点検の土台とするものである。
2006年改正の教育基本法第17条が、政府に基本計画の策定を義務づけ、地方公共団体には国の計画を参酌して地域の実情に応じた計画を定めるよう努力義務を課した。国の計画はおおむね5年を期間として閣議決定され、教育の目標や基本方針、講ずべき施策、進捗を測る指標などを示す。これを受けて都道府県・市区町村が地方版の教育振興基本計画を策定する。
地方では、首長と教育委員会が協議する総合教育会議で議論される教育大綱とあわせて、地域の教育の方向性を形づくる。学校教育だけでなく社会教育・文化・スポーツ・家庭教育の支援まで含めて体系化し、こども計画など関連分野の計画との整合をとりながら、施策の進捗を指標で点検する道具として用いられる。
国の義務と地方の努力義務
教育振興基本計画は、国(政府)には教育基本法上の策定義務があるが、地方公共団体には「国の計画を参酌し、その地域の実情に応じ……定めるよう努めなければならない」という努力義務にとどまる。このため地方版の計画を策定するかどうか、どの範囲を盛り込むかには自治体ごとの幅がある。とはいえ地域の教育施策を体系化し進捗を管理する道具として策定する自治体が大半で、総合計画の教育分野との関係を整理しながら作るのが実務上の論点となる。
教育大綱・総合教育会議との関係
2014年の地方教育行政法改正で導入された教育大綱は、首長が地域の教育の目標や根本的な方針を定めるもので、首長と教育委員会が協議する総合教育会議で調整される。教育振興基本計画が教育委員会を中心に施策を体系的・網羅的に示すのに対し、大綱は首長が定める方針という性格をもつ。両者の内容が重なる場合、教育振興基本計画をもって大綱に代えることも認められており、自治体は二つの文書の役割分担を整理して運用している。
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