職員参集とは、地震や水害などの災害発生時に、あらかじめ定めた基準に従って自治体職員が勤務時間外であっても登庁し、災害対応体制に就く行動である。震度や警報の発表を基準とした自動参集と、本部長の指示による指示参集に大別される。
夜間や休日に大地震が起きたとき、本部の指示を待ってから職員が動き出していては、初動対応の数時間を空費する。職員参集は、この空白を埋めるために「震度5強で全職員自動参集」のように発令を待たず行動へ移る基準をあらかじめ決めておく仕組みである。基準は震度・津波警報・特別警報などの客観指標で定め、職員カードや地域防災計画に明記して周知する。もっとも、職員自身が被災したり交通機関が止まったりすれば想定どおりには集まらず、参集予測率は平時の訓練で検証しておく必要がある。近隣に住む職員を初動要員に指定する、徒歩や自転車での参集を前提に所要時間を割り出すなど、参集の実効性を高める設計が初動対応の成否を分ける。
自動参集と指示参集の線引き
職員参集の基準は二層で組む。第一層が自動参集で、震度5強以上や大津波警報の発表といった客観的な事実が成立した瞬間に、発令を待たず職員が登庁する。連絡が取れない事態を前提に、テレビ・ラジオ・緊急地震速報など各自が把握できる情報をトリガーにするのが要点である。第二層が指示参集で、災害対策本部長(首長)の判断で参集範囲を段階的に広げる。震度4や大雨警報のように被害規模が読みにくい事象では、まず防災担当課と幹部のみを参集させ、被害情報を見て第一・第二・第三配備へ拡大する段階配備の形をとる自治体が多い。自動参集の閾値を低く設定しすぎると空振り登庁が頻発して職員が疲弊し、高くすると初動が遅れるため、過去の被害実績から閾値を調整する。
参集予測と「集まれない」前提
参集計画の最大の弱点は、職員自身が被災者になる点にある。職員の自宅が被災すれば家族の安全確保が優先され、道路の寸断や公共交通の停止で物理的に登庁できない場合もある。東日本大震災や熊本地震では、初動段階で参集できた職員が想定を大きく下回った事例が報告された。このため庁舎近傍に居住する職員を初動要員としてあらかじめ指名する、徒歩・自転車での参集を前提に居住地ごとの所要時間を算定する、参集途上での被害情報収集を任務に組み込む、といった設計が要点になる。参集予測率は机上の数字にとどめず、抜き打ちの参集訓練(夜間・休日を想定したメール一斉送信と応答確認)で実測し、計画へ反映する。
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