ジチテン

選挙公営

読み:せんきょこうえい

意味

選挙公営とは、候補者の選挙運動に要する費用の一部を国または地方公共団体が負担し、または公費で役務を提供することにより、選挙運動の機会均等を図る制度をいう。

資力の乏しい候補者でも一定の選挙運動ができるようにするには、どこまでを公費でまかなうのか。選挙公営は、選挙が候補者の財力によって左右されることを防ぎ、立候補の門戸を広げる狙いをもつ。対象となる役務には、選挙運動用自動車の使用、選挙運動用ビラやポスターの作成、選挙公報への掲載、ポスター掲示場の設置、政見放送などがあり、いずれも一定の数量や回数を上限として無料または公費負担とされる。地方選挙では、条例で定めることにより選挙公営の範囲が決まるため、対象や限度額は団体ごとに異なる。供託金没収点にしない得票しか得られなかった候補者については、公費負担の対象から外れる場合があり、無秩序な立候補を抑える仕組みと組み合わされている。

地方選挙における条例委任

国政選挙の選挙公営は公職選挙法が直接定めるのに対し、地方選挙では、同法が公営の枠組みを示したうえで、具体的な対象や限度額の多くを条例に委ねている。このため、選挙運動用自動車の借上げ費用、ビラ・ポスターの作成費、選挙事務所の立札といった項目を公費負担とするかどうかは、各団体が条例を制定して初めて適用される。近年は、立候補の経済的負担を軽減して人材確保につなげる観点から、町村を含め公営の範囲を拡大する条例改正が進んでいる。

供託金との関係による歯止め

選挙公営は無制限ではなく、供託金制度と組み合わせて濫用を防いでいる。一定の得票数(供託金没収点)に達しなかった候補者は、供託金が没収されるとともに、選挙運動用自動車やビラ・ポスターの作成費といった公費負担の対象からも除かれることが多い。これは、公費による機会均等の保障が、当選を争う意思のない立候補にまで及ぶことを避けるための調整である。結果として、当選の意思がない者が公費目当てに立候補することを抑えつつ、真摯に当選を争う候補者には機会均等を保障するという二つの要請が両立する。財政負担を伴う制度であるだけに、対象範囲と歯止めの両面を条例設計のなかで見極める必要がある。

つながりのある用語

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