ジチテン

政見放送

読み:せいけんほうそう

意味

政見放送とは、公職選挙法に基づき、一定の選挙において候補者や政党が政見をテレビやラジオの放送により無料で発表できる選挙公営の制度である。

候補者がテレビやラジオで自分の政見を有権者に直接届けられるのはどんな選挙か。政見放送は、候補者や政党が放送により政見を述べることを公費で保障する選挙公営の一つである。公職選挙法は、衆議院議員、参議院議員、都道府県知事の選挙などについて、日本放送協会および一般放送事業者の放送設備により候補者等が政見を放送できると定める。放送の時間や回数は候補者間で公平になるよう割り当てられ、費用は公費で負担される。政見放送は、資力にかかわらず候補者に広く政見を伝える機会を保障し、有権者の判断材料を提供する趣旨による。放送の内容は候補者自身の政見に限られ、他の候補者の名誉を傷つける表現などには制約がある。市町村議会議員や市町村長の選挙は政見放送の対象とされておらず、すべての選挙で利用できるわけではない。

政見放送の対象選挙

政見放送が認められるのは、衆議院議員の選挙、参議院議員の選挙、都道府県知事の選挙などに限られ、市町村の議会議員や市町村長の選挙、また都道府県議会議員の選挙は対象とされていない。これは、放送設備や放送時間の制約、選挙の規模との関係によるもので、すべての選挙で政見放送が利用できるわけではない。政見放送を実施しない地方選挙では、選挙公報個人演説会選挙運動用ビラ、ポスターなどが政見を有権者に伝える主な手段となる。対象となる選挙でも、放送を行うかどうかや時間は法令の定めによる。

内容の自主性と制約

政見放送の内容は候補者または政党が自ら決めるのが原則で、放送事業者は録音・録画した政見をそのまま放送し、その内容に手を加えてはならないとされる。これは、放送事業者の編集によって候補者の主張がゆがめられることを防ぎ、表現の自主性を保障する趣旨である。一方で、この自主性も無制限ではなく、他人の名誉を傷つけたり善良な風俗を害したりする表現は許されない。候補者の表現の自由をどこまで保障し、他者の権利保護や放送の品位との調整をどう図るかが、政見放送の運用上の論点となってきた。

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