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ジチテン

精神医療審査会

読み:せいしんいりょうしんさかい

意味

精神医療審査会とは、精神保健福祉法に基づき都道府県と指定都市に置かれ、精神科病院に入院する人の入院の要否や処遇の妥当性を、医療、法律等の委員による合議で審査する機関をいう。

本人の同意によらない入院を、病院と行政だけの判断に委ねてよいのか。この問いに答える権利擁護の仕組みが精神医療審査会である。審査は二つの系統からなり、一つは医療保護入院の入院届や、措置入院・医療保護入院の定期病状報告を審査して入院継続の要否を判断する系統、もう一つは入院中の本人や家族等からの退院請求・処遇改善請求を受けて審査する系統である。委員は精神保健指定医である医療委員、弁護士等の法律家委員、精神障害者の保健福祉に学識経験のある委員で構成され、5人の合議体で審査する。事務は精神保健福祉センターが担う。審査の結果、入院の必要がないと認められれば退院となり、処遇が不当とされれば病院に改善が指示されるため、精神科病院に対する外部チェックの中心に位置する。措置入院や医療保護入院の事務に携わる職員にとって、入院手続の先に必ずこの審査があることを押さえておくことが、制度全体の理解の土台になる。

二系統の審査と合議体の構成

審査会の仕事は書面による定例の審査と、請求を受けて動く審査に分かれる。前者では、医療保護入院の入院届、措置入院者・医療保護入院者の定期病状報告を合議体が審査し、入院の継続が適当かを判断する。後者では、入院中の本人または家族等からの退院請求や処遇改善請求について、必要に応じて委員が病院に出向いて本人の意見を聴き、診療録を確かめたうえで結論を出す。合議体は5人で、精神保健指定医である医療委員2人以上、法律に関し学識経験を有する委員1人以上、精神障害者の保健福祉に関し学識経験を有する委員1人以上を含む構成が法定されている。医療の専門判断だけでも、法律論だけでもなく、双方を同じ合議体に置く点にこの制度の設計思想がある。

形骸化批判と審査の実効性

精神医療審査会には、入院届や定期病状報告の件数が膨大である一方、審査の大半が書面審査で終わり、入院不要や処遇不当の判断がごく少数にとどまるという批判が続いてきた。退院請求の審査でも、請求から結論までの期間の長さが課題とされる。2022年の精神保健福祉法改正では、医療保護入院の入院期間が法定され更新の手続が設けられたため、更新の節目ごとに審査会のチェックが及ぶ構造へと改められた。審査会の実効性は、委員のなり手の確保、意見聴取の充実、事務局である精神保健福祉センターの体制に左右されるため、設置者である都道府県指定都市にとっては、合議体の数と開催頻度をどう確保するかが運営の核心になる。

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