一般職の任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特例に関する法律
読み: いっぱんしょくのにんきつきけんきゅういんのさいようきゅうよおよびきんむじかんのとくれいにかんするほうりつ
研究の世界では、優れた成果を出す人材を機動的に集めたり、若手に腕を磨く場を与えて次へ送り出したりする必要があるが、終身雇用を前提とする公務員制度はこれになじみにくい。任期付研究員法は、この矛盾を解くために1997年に国の試験研究機関を対象として設けられた、研究公務員の任期付採用のしくみである。
採用は二つの型に分かれる。すぐれた研究者を高い処遇で迎える招へい型と、研究者としての能力を養う若手育成型で、いずれも任期は原則5年を超えない範囲で定められる。自治体の公設試験研究機関の研究者は、この法律ではなく地方公務員の任期付職員の制度を用いるため、本法が直接適用される場面は国の機関に限られるが、公務に任期制を持ち込む先駆けとなった制度として、自治体の任期付職員制度を理解する対照軸になる。
招へい型と若手育成型の二類型
任期付研究員の採用は、目的の異なる二つの型に分かれる。招へい型は、すぐれた研究者を一定期間招いて研究を行わせるもので、その実績にふさわしい高い給与を支給できる特例が置かれている。若手育成型は、独立して研究する能力を養うべき若手研究者を任期付きで採用し、経験を積ませて次のキャリアへ送り出すことを想定する。いずれも任期は5年を超えない範囲で定め、研究の区切りに合わせた人材確保を可能にする。任期の定めのない常勤職を基本とする公務員制度のなかで、研究分野に限って例外を設けた点に特徴がある。
自治体の任期付任用との関係
任期付研究員法が対象とするのは国の試験研究機関の研究公務員であり、都道府県や市町村の研究者には直接適用されない。自治体が農業や工業、衛生などの公設試験研究機関で研究者を任期付きで採用する場合は、地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律(平成14年法律第48号)に基づく任期付職員の枠組みを用いる。それでも本法は、公務に任期制を導入した最初期の立法として、その後の自治体を含む任期付任用制度の設計に影響を与えた。研究という成果が見えやすい分野で先行して任期制が認められ、のちに一般の行政職へと任期付採用が広がった経緯を押さえると、自治体の任期付職員制度の位置づけも理解しやすい。
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