水道や交通、病院などの自治体の公営企業を、知事や市長が日々の業務まで直接動かすのは難しい——企業管理者は、こうした公営企業の経営をゆだねられた責任者である。地方公営企業法に基づき、長が任命し、任期は四年で再任もできる。管理者は、職員の任免や給与の決定、予算の原案づくり、契約の締結など、企業の業務執行に関する権限を長から委ねられ、独立した立場で経営にあたる。料金収入で運営する独立採算の事業を、政治的な判断から一定の距離を置いて機動的に動かすために設けられた仕組みである。
長から独立した執行権限
地方公営企業法は、公営企業に管理者を置き、その業務の執行について長から独立した権限を与える。管理者は長が任命し、任期は四年で再任もできる。担任する事務には、業務に必要な分課の設置、職員の任免や給与など身分の取扱い、予算の原案の作成、決算の調製、契約の締結などが含まれる。一般行政では長に集中する権限の一部を、企業経営にふさわしい形で管理者に委ねることで、料金で運営する独立採算の事業を機動的に動かせるようにしている。予算そのものの調製や議会への提出は長の権限に残る点で、役割は分担されている。
適用範囲と置かない選択
管理者を置くかどうかは、公営企業に地方公営企業法をどの範囲で適用するかと結びつく。法の規定を全部適用する事業では管理者を置くのが原則だが、財務規定などの一部だけを適用する事業や、規模の小さい事業では、条例で管理者を置かず長が直接業務を執行することもできる。水道事業管理者や交通事業管理者、病院事業管理者は、それぞれの公営企業に置かれた管理者の呼び名である。どの事業にどこまで法を適用し、管理者に何を委ねるかは、事業の規模や経営の自立度に応じた制度設計の判断になる。
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