ジチテン

地方公営企業法

読み:ちほうこうえいきぎょうほう

意味

地方公営企業法とは、地方公共団体が経営する企業の組織・財務・職員の身分取扱いを定める法律である(昭和27年法律第292号)。

水道や交通、病院といった自治体が経営する事業は、一般行政とは異なる独立採算と企業会計のルールで運営される。その特例を定めるのが地方公営企業法である。第2条が法を当然に適用する事業(水道・工業用水道・軌道・自動車運送・鉄道・電気・ガス)を列挙し、その他の事業には条例で全部又は一部を適用できる任意適用の道を開く。第17条以下は一般会計と区分した特別会計の設置と、現金主義でなく発生主義に基づく複式簿記の企業会計方式の採用を義務付ける。第17条の2は経費負担の原則を定め、独立採算を基本としつつ、性質上能率的経営によっても料金で賄えない経費等は一般会計が負担すると規定する。管理者を置く独任制の経営体制や、職員の労働関係に労働協約締結権を認める点も一般行政と異なる特例である。

法適用の範囲と任意適用

地方公営企業法は、適用関係により事業を三つに分ける。第2条第1項が列挙する水道・工業用水道・軌道・自動車運送・鉄道・電気・ガスの7事業は法の規定が全部当然に適用される。病院事業は第2条第2項により財務規定等のみが当然適用される。それ以外の下水道宅地造成等の事業は、条例で定めることにより法の全部又は財務規定等を任意に適用できる。総務省は経営の見える化と健全化のため、下水道事業や簡易水道事業を含む公営企業への企業会計の適用拡大を推進してきた。法を適用する企業を法適用企業、適用しない企業を法非適用企業と呼び、両者は会計方式(発生主義か現金主義か)が根本的に異なる。

独立採算と経費負担の原則

地方公営企業法第17条の2は、公営企業の経費負担の原則を定める。原則として、その経営に伴う収入(料金収入)をもって経費に充てる独立採算制を採るが、(一)その性質上当該企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費、(二)能率的な経営を行ってもなお料金収入のみでは客観的に困難な経費については、一般会計又は他の特別会計が負担する。この一般会計が負担すべき経費の繰入れは繰出金と呼ばれ、毎年度総務省が示す繰出基準に沿って算定される。独立採算を建前としながら一定の公費負担を組み込むこの構造は、料金で賄えない公共性の高いサービスを維持するための制度設計である。

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