寄附金税額控除とは、自治体や認定NPO法人などへの寄附について、寄附額の一定割合を個人住民税の税額から差し引く控除である。
寄附を促すには、寄附した人の負担を税で軽くする仕組みが要る。寄附金税額控除は、所得から差し引く所得控除ではなく、算出した税額から直接差し引く税額控除の形をとることで、寄附の負担軽減効果を大きくし、住民の寄附を後押しする制度である。
対象は、都道府県・市区町村への寄附(ふるさと納税)、住所地の共同募金会・日本赤十字社支部、条例で指定した認定NPO法人や公益法人などへの寄附である。基本控除に加え、自治体への寄附には特例控除が上乗せされ、自己負担2,000円を超える部分が一定限度まで住民税と所得税から控除される。この特例控除がふるさと納税の「実質2,000円」を支える中核である。
控除を受けるには確定申告が原則だが、給与所得者など一定の条件を満たす場合は、寄附先自治体への申請でワンストップ特例が使える。自治体の課税部門にとっては、寄附先からの情報をもとに翌年度の住民税額へ控除を正しく反映する事務が発生し、ふるさと納税の拡大に伴って控除事務の負担が増している。
控除する側の自治体に生じる税収流出
寄附金税額控除、とりわけふるさと納税の特例控除は、寄附を受けた自治体には寄附金収入をもたらす一方、寄附した住民が住む自治体では住民税の控除という形で税収が流出する。住民が他団体へ多額の寄附をすれば、その住民が本来納めるはずだった住民税が控除で減り、住民サービスの財源が目減りする。都市部の自治体ほどこの流出が大きく、減収の一部は地方交付税で補填されるが、不交付団体は補填がなく流出をそのまま被る。控除事務の側でも、寄附先自治体やワンストップ特例の申請から控除対象額を集計し、翌年度の住民税額に誤りなく反映する作業が、寄附件数の急増とともに重い負担になっている。返礼品競争の過熱を受けた制度の見直し(返礼割合や経費の規制)も、控除を扱う課税部門が制度改正のたびに対応を迫られる要因である。
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