ジチテン

過料

読み:かりょう

意味

過料とは、行政上の義務違反に対して科される金銭的な制裁のうち、刑罰ではない秩序罰として科されるものをいう。前科にならず、刑事罰である罰金・科料とは法的性質が異なる。

条例違反に「5万円以下の過料」と定めても、それは刑罰ではない——この区別を誤ると、科す手続も前科の有無もすべて変わってくる。過料は秩序罰の一種で、届出義務違反や軽微な手続違反など、刑罰を科すほどではない義務違反に対する金銭的制裁である。読みは罰金(科料)と区別するため、実務上「あやまちりょう」と呼ばれることもある。地方自治法に基づく条例・規則違反の過料は、長が行政処分として科し、納付しなければ地方税滞納処分の例により強制徴収できる。これに対し法令違反一般の過料は非訟事件手続法により裁判所が科す。前科にならず刑事手続を経ない点が罰金・科料との決定的な違いで、条例で制裁を設計する際にはどちらの制度を使うかの選択が政策法務上の論点になる。

過料・罰金・科料の違い

金銭的制裁には、刑罰である罰金・科料と、刑罰でない過料がある。罰金・科料は刑法上の刑罰で、刑事訴訟手続を経て科され、前科として記録される。過料は秩序罰であって刑罰ではないため、刑事手続によらず、前科にもならない。読み上げでは罰金の「科料(かりょう)」と過料の「かりょう」が同音のため、過料を「あやまちりょう」、科料を「とがりょう」と呼んで区別する慣行がある。条例で義務違反への制裁を設計するとき、刑罰(懲役・罰金)を定めるか、秩序罰である過料を定めるかは、違反の重さと手続負担を踏まえた政策判断になる。

自治体が科す過料の手続

地方自治法に基づく条例・規則違反に対する過料は、裁判所ではなく長が行政処分として科す。長は過料の処分をしようとするときは、あらかじめ相手方に告知し弁明の機会を与えたうえで、過料の額・納期限などを記した納入の通知を行う。納付されない場合は、地方税の滞納処分の例により財産を差し押さえて強制徴収できる点が、私人間の債権と異なる強力な特徴である。これに対し、地方自治法以外の法令違反一般に対する過料は、非訟事件手続法により裁判所が決定で科すため、自治体が直接科す過料とは手続の流れが異なる。

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