循環型社会形成推進基本法(循環基本法)とは、循環型社会の形成を推進するための基本理念と枠組みを定める法律である(平成12年法律第110号)。廃棄物の発生抑制から再使用、再生利用、適正処分までの優先順位を法定し、国、地方公共団体、事業者、国民の役割分担を示して、個別のリサイクル法制の土台となる。
大量生産、大量消費、大量廃棄を続ける社会は、最終処分場の逼迫と天然資源の浪費という限界に突き当たった。循環型社会形成推進基本法は、この一方通行の流れを資源が循環する仕組みへ転換するための基本理念を定める法律として、2000年に制定された。
この法律の核心は、廃棄物をどう扱うかの優先順位を初めて法律で明示した点にある。発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)、熱回収、適正処分という順位を定め、まず捨てる量を減らし、次に繰り返し使うことを上位に置いた。あわせて、製品が廃棄物になった後まで生産者が一定の責任を負う拡大生産者責任の考え方を取り入れ、容器包装や家電などの個別リサイクル法が、この基本法の理念のもとで具体化されている。
廃棄物・リサイクルの優先順位
循環型社会形成推進基本法がもたらした最も実務的な変化は、廃棄物の処理に法律上の優先順位を持ち込んだことである。順位は上から、発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)、熱回収(サーマルリサイクル)、適正処分の五段階で、上位の手段ほど優先される。注意を要するのは、リサイクルが最上位ではない点である。資源として再び使う再生利用よりも、そもそも廃棄物を出さない発生抑制と、形を変えずに使い続ける再使用が上に置かれている。また、ごみを燃やして熱や電気を回収する熱回収は、再生利用より下位に位置づけられ、リサイクルと同列には扱われない。この順位は、リサイクルさえすればよいという発想を戒め、まず減らすことを政策の起点に据える考え方を示している。
基本法と個別リサイクル法の関係
循環型社会形成推進基本法は、理念と枠組みを示す基本法であり、具体的な規制はその下に連なる個別の法律が担う。廃棄物の適正処理を定める廃棄物処理法と、資源の有効利用を促す資源有効利用促進法が全体を支え、その上で物品ごとに、容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、食品リサイクル法、建設リサイクル法、小型家電リサイクル法といった個別法が置かれている。2022年には、プラスチック資源循環促進法が加わった。基本法が示す優先順位や拡大生産者責任の理念を、どの品目に、誰の費用負担で、どのような回収ルートで適用するかを、これらの個別法がそれぞれ具体化する。基本法を読むだけでは現場の義務は見えず、対象品目ごとに個別法を確認する必要がある。
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