特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)とは、使用済みの家庭用電気機器について、小売業者の引取りと製造業者の再商品化を義務づけた法律である(平成10年法律第97号)。エアコン、テレビ、冷蔵庫や冷凍庫、洗濯機や衣類乾燥機の四品目を対象とする。
冷蔵庫やエアコンのような大型の家電は、鉄やアルミ、銅など有用な資源を多く含む一方、そのまま埋め立てれば処分場を圧迫する。家電リサイクル法は、これらを資源として回収しリサイクルするため、関係者の義務を定めた法律で、2001年に本格施行された。
この法律の特徴は、消費者が排出時にリサイクル料金を支払う点にある。使用済み家電を買い替えや廃棄で手放すとき、消費者は小売業者にリサイクル料金と収集運搬料金を支払い、小売業者が引き取って製造業者に引き渡し、製造業者が再商品化する。製造業者が物理的な再商品化責任を負う拡大生産者責任の典型例である。一方、料金を排出時に後払いする仕組みは、負担を避けようとする不法投棄を招きやすく、その防止が制度の課題となっている。
後払い方式と不法投棄のリスク
家電リサイクル法の費用負担は、消費者が製品を手放すときにリサイクル料金を支払う後払い方式をとる。購入時の価格に上乗せして前払いする方式と異なり、捨てる人がその時点で費用を負担するため、負担を逃れようと使用済み家電を不法に投棄したり、無許可の回収業者に引き渡したりする誘因が生まれやすい。無許可業者に渡った家電は、適正に再商品化されず、有害物質を含む部品が不適切に処理されるおそれもある。このため、自治体は不法投棄の監視や、正規ルートでの排出の周知に取り組み、国は前払い方式への転換の是非も含めて費用負担のあり方を議論してきた。実際に廃棄する人が負担する公平性という後払い方式の利点と、不法投棄を招きやすい弱点のどちらを重く見るかが、制度設計の論点である。
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