不法投棄とは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第16条が禁止する、みだりな廃棄物の投棄行為である。投棄者の属性(個人・事業者・許可業者)や廃棄物の種類(一般廃棄物・産業廃棄物)を問わず同条の適用を受け、違反した場合は同法第25条第1項により5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(法人には3億円以下の罰金)が科される。
廃棄物を正規に処理するには費用がかかるため、これを惜しむ者が山林や空き地に投げ捨てれば、生活環境や水源が汚染され原状回復にも莫大な費用がかかる。不法投棄は、廃棄物処理法が禁じるみだりな廃棄物の投棄行為であり、適正処理を逃れる行為を厳しく禁止して生活環境を守る点に意味がある(同法第16条)。
同法第16条は「何人もみだりに廃棄物を捨ててはならない」と定め、違反には5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(法人には3億円以下の罰金)が科される(第25条第1項)。産業廃棄物では、排出事業者が処理費を削るために無許可業者へ安値で委託し、その業者が山林・空き地などに投棄する構造が多い。新規発覚件数は対策強化で減少傾向だが、既存の投棄現場の原状回復が長期課題となっている。
不法投棄の構造と排出事業者責任
産業廃棄物不法投棄の典型的な構造は、廃棄物の排出事業者が無許可または不適正な処理業者に安値で処理を委託し、その業者が不法に投棄するというものである。このとき廃棄物処理法は排出事業者にも「措置命令」(同法第19条の5)を適用できると定めており、「業者に任せたから自分には責任がない」という主張は認められない。同法第12条・第12条の3が定める「委託基準」に反した委託(無許可業者への委託・マニフェストの不交付等)があれば、排出事業者は投棄に加担したとして原状回復の費用負担を求められる。
行政の対応と費用負担問題
不法投棄が発見された場合、都道府県知事は投棄者・排出事業者に対して支障除去(原状回復)を命令できる(廃棄物処理法第19条の5)。投棄者が不明・所在不明・費用の支払い能力がない場合、都道府県が代執行(同法第19条の8)を行い、その費用を後から投棄者に請求する。代執行費用の回収が困難なケースは多く、産業廃棄物処理特定施設整備の促進に関する法律(産廃特措法)の枠組みで造成された基金等を活用した支障除去が取られた例もある(廃PCB等の処理など)。
市区町村が直面する実務
市区町村の廃棄物担当課が不法投棄を確認した場合の基本的な対応手順は、産業廃棄物か一般廃棄物かで管轄が異なるための廃棄物の種類・量の確認、都道府県環境担当部局・警察への通報、土地所有者への連絡の三段階である。産業廃棄物の場合は都道府県が主体的に対処し、市区町村は情報提供・立入調査の支援を行う。一般廃棄物(家庭ごみ等)の不法投棄は市区町村が主体的に対処し、廃棄物指導員や環境美化指導員による巡回指導・啓発を行う自治体も多い。
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