排除措置命令とは、独占禁止法に違反する行為があったと認めるとき、公正取引委員会が違反事業者に対し、その行為をやめさせ再発を防ぐために必要な措置を命じる行政処分をいう。
違反行為をした業者から利得を取り上げるだけでは、同じ不正が繰り返されかねない。行為そのものをやめさせ、二度と起こさせないために命じるのが排除措置命令である。公正取引委員会は、入札談合・カルテル・不公正な取引方法などの違反行為があったと認めるとき、違反事業者に対し、当該行為の差止め、合意・協定の破棄、再発防止のための社内体制の整備、命令の周知などを命じる。排除措置命令は、違反による利得を国庫に納付させる課徴金納付命令とは目的を異にし、両者は同一の違反に対して併存しうる。命令に不服がある事業者は、行政事件訴訟によって取消しを求めることができる。発注者にとっては、排除措置命令を受けた事業者を指名停止の対象とするなど、契約上の措置と連動させる場面で関わる。
課徴金納付命令との役割分担
公正取引委員会が独占禁止法違反に対して発する命令には、排除措置命令と課徴金納付命令があり、目的が異なる。排除措置命令は、違反行為を排除し再発を防止するために必要な措置を命じるもので、行為の是正と将来への抑止を狙う。具体的には、違反行為の取りやめ、合意・協定の破棄、再発防止策の策定・実施、取引先や従業員への周知などを命じる。これに対し課徴金納付命令は、違反による経済的利得を国庫に納付させる金銭的措置で、やり得の防止を目的とする。両者は併存しうるため、一つの談合事件で違反事業者は行為の是正(排除措置)と金銭の納付(課徴金)の双方を求められることが多い。両命令は対で理解しておくと、独禁法上の措置の全体像を捉えやすい。
手続と不服申立て
排除措置命令を発するにあたり、公正取引委員会は、命令の名宛人となる事業者に対し、あらかじめ予定する命令の内容や根拠となる事実を示し、意見を述べ証拠を提出する機会(意見聴取の手続)を与える。これを経て命令を発し、命令書を送達する。命令に不服がある事業者は、行政事件訴訟法に基づき、東京地方裁判所に命令の取消しを求める訴えを提起できる。かつては公正取引委員会内の審判手続が前置されていたが、制度改正により廃止され、現在は裁判所での取消訴訟による不服申立てに一本化されている。発注者は、排除措置命令や課徴金納付命令、刑事処分を、指名停止や違約金請求の根拠事実として用いるため、命令の確定状況や内容を把握して契約上の措置と連動させる。
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