ジチテン

課徴金

読み:かちょうきん

意味

課徴金とは、独占禁止法に違反するカルテルや入札談合などを行った事業者に対し、公正取引委員会が違反行為による経済的利得を国庫に納付させる行政上の金銭的負担をいう。

入札談合をした業者を放置すれば、不正による利益が手元に残り、やり得を許すことになる。これを許さず、得た利得を国に吐き出させるのが課徴金である。公正取引委員会は、不当な取引制限(カルテル・入札談合)などの違反行為があったと認めるとき、違反事業者に対し、課徴金納付命令を発する。課徴金の額は、違反行為に係る売上額に一定の算定率を乗じて計算され、違反の期間や役割、繰り返しかどうかなどによって加減される。課徴金は、刑事罰や排除措置命令とは別個の制度で、これらと併科されうる。自ら違反を申告して調査に協力した事業者には課徴金が減免される課徴金減免制度(リーニエンシー)があり、談合の発見と解明を促す仕組みとして機能する。発注者が契約に基づいて請求する違約金とも別である。

排除措置命令・刑事罰との関係

入札談合などの独占禁止法違反に対して、公正取引委員会は複数の措置を講じる。排除措置命令は、違反行為をやめさせ、再発を防ぐために必要な措置(協定の破棄、再発防止策の実施など)を命じるもので、行為の是正を目的とする。課徴金納付命令は、違反による経済的利得を国庫に納付させる金銭的な措置で、やり得の防止と抑止を目的とする。これらは行政処分だが、悪質な談合・カルテルは刑事罰の対象ともなり、公正取引委員会の告発を受けて刑事手続が進む。三者は目的が異なり、同一の違反行為に対して併存しうる。さらに、発注者は契約に基づく違約金を請求し、指名停止などの行政上の措置をとるため、不正行為には独禁法上の措置と発注者の措置が重層的に及ぶ。

課徴金減免制度(リーニエンシー)

課徴金減免制度は、談合・カルテルに関与した事業者が、自ら公正取引委員会に違反を申告し調査に協力した場合に、申告の順位や協力の度合いに応じて課徴金を減額または免除する制度である。談合は当事者だけが事情を知る密室の合意であるため、内部からの申告を促すことが摘発の決め手となる。最初に申告した事業者は免除、それ以降は順位に応じた減額を受けられる仕組みで、申告を競わせることで談合の結束を内側から崩す効果がある。事業者にとっては、いち早く申告すれば課徴金の負担を回避できるため、違反の早期是正と自主的な開示の誘因となる。ただし、減免されるのは課徴金であり、発注者による違約金の請求や指名停止までが免除されるわけではない点に注意を要する。

つながりのある用語

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)