議事進行発言とは、会議の進行上の問題について、議員が議長に対して質し、注意し、または希望を述べるための発言である。標準会議規則にいう「議事進行に関する発言」の通称で、議題への賛否を述べる質疑や討論とは区別される。
「議長、議事進行」という声で審議が止まる場面がある。答弁が質問とかみ合っていない、配付資料が間違っている、不穏当な発言があった——そうした会議の進め方そのものの問題は、議題への質疑や討論の枠では扱えない。議事進行発言は、この種の問題を議員がその場で議長に指摘し、処理を促すための発言で、議長は他の議員の発言中であっても、その発言が終わり次第これを許可して対応するのが通例である。
便利な割り込み手段であるだけに濫用の危険があり、標準会議規則は、議事進行に関する発言は議題に直接関係のあるもの、または直ちに処理する必要があるものでなければならず、その趣旨に反する発言は議長が直ちに制止しなければならないと定めている。執行部への追及や自説の表明を議事進行発言の形で行うのは本来の用法から外れ、議長の議事整理権との間で緊張を生む。どこまでを許すかは議長の議事采配の見せ場でもあり、議会ごとの先例が積み重なっている。
動議との違い——議決を要するかどうか
議事進行発言とよく似た働きをするものに動議がある。両者の違いは、会議体の意思決定を求めるかどうかにある。議事進行発言は議長に注意や希望を伝えて議長の判断と措置を促すにとどまり、それ自体は表決の対象にならない。これに対し動議は、休憩や会期の延長、討論終結といった事項を議会の意思として決めるよう求める提案であり、所定の賛成者を得て成立すれば表決に付される。実際の議場では、議事進行発言として始まった指摘が議長の措置では収まらず、休憩を求める動議や議長への不信任を求める動議へ発展することもあり、両者は地続きである。会議録上の扱いも分かれ、議事進行発言は発言として記録されるのに対し、動議は議題として処理の経過が記録される。議長への促しで足りるのか、議会の議決として確定させる必要があるのかが、使い分けの分岐点になる。
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