地域ケア会議とは、介護保険法第115条の48に基づき市区町村が設置・運営する会議で、地域の医療・介護・生活支援等の多職種が一堂に集まり、個別の支援困難事例を検討しつつ地域課題の把握・解決策の検討を行う場のことである。地域包括ケアシステムの構築に向けた実践的な推進ツールとして位置付けられる。
高齢者の支援困難事例は、介護・医療・生活の課題が絡み合い、一つの職種や事業所だけでは解決の糸口が見えないことが多い。地域ケア会議は、医療・介護・生活支援などの多職種が集まって個別事例を検討しつつ地域課題を把握する場であり、専門職の知恵を持ち寄って個別支援と地域づくりの両方を進める点が肝心である(介護保険法第115条の48)。
個別事例の検討(ケアマネジャーが困難事例を持ち込み多職種で議論する個別地域ケア会議)と、個別事例から見える共通課題を集約して社会資源の整備や新規サービスの創設につなげる地域づくり・政策形成のための会議の二機能を持つ。地域包括支援センターが実務の中心を担い、市区町村の介護保険担当課・保険者機能の強化と連動して運営される。
多職種連携の実際
地域ケア会議の参加者は事例の内容によって異なるが、典型的には、主任ケアマネジャー・社会福祉士・保健師などの地域包括支援センター職員、事例を担当する居宅介護支援事業所のケアマネジャー、かかりつけ医などの医師・歯科医師・薬剤師、訪問看護師や作業療法士・理学療法士などのリハビリ職、民生委員・行政担当者などの生活支援関係者で構成される。医療と介護の専門職が同じ事例について議論することで、それぞれの視点から課題が明確化され、ケアプランの質向上と地域連携強化につながる。
個別事例から地域課題へ
地域ケア会議では個別事例の支援策を検討しながら、複数の事例に共通する課題(例:地域の移動手段がなく通院困難な高齢者が多い・認知症の独居高齢者への見守りが不足等)を集約する。これらの共通課題は「政策立案のための地域ケア会議」に上げられ、地域の社会資源(インフォーマルサービス・ボランティア活動・新規サービスの設立等)の整備や介護保険事業計画への反映につなげる。市区町村の保険者は地域ケア会議の議事録・課題リストを介護保険事業計画の見直しに活用する。
運営上の課題
地域ケア会議の運営課題としては、多忙な医師の参加をどう確保するか、ケアマネジャーが自分のケアプランを批評される場と受け止めて心理的抵抗を抱きやすいこと、出席者が固定して議論が深まらない会議の形骸化がある。地域包括支援センターと市区町村の介護保険担当課が運営課題を共有し、医師会・歯科医師会・薬剤師会などとの関係を強めて参加者の多様化を図ることが、会議を実りあるものにする鍵となる。地域包括支援センターと市区町村の介護保険担当課が連携して運営課題を共有し、医師会・歯科医師会・薬剤師会等との関係強化によって参加者の多様化を図ることが重要となる。
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