ジチテン

税源移譲

読み:ぜいげんいじょう

意味

税源移譲とは、国の税を減らして地方の税を増やすことにより、国から地方へ課税権の一部を移し替える財政上の措置をいう。

なぜ平成19年に個人住民税が一律10%となり、その分だけ所得税が下がったのか——その背景にあるのが税源移譲である。地方が自らの判断で使える自主財源を厚くするため、補助金や交付税といった国を介した移転ではなく、課税権そのものを地方に移すのが特徴である。代表例が三位一体の改革で行われた約3兆円の税源移譲で、所得税の税率を引き下げる一方、個人住民税所得割の税率を一律10%に統一し、国から地方へ恒久的に税源を移した。国庫補助負担金の廃止・縮減、地方交付税の見直しと一体で進められ、地方分権を財政面から支える柱と位置づけられた。納税者にとっては所得税と住民税の負担割合が入れ替わるだけで合計負担は変わらないよう設計されたが、課税・徴収の主体が国から地方へ移る点に本質がある。地方の自主財源比率を高め、受益と負担の対応関係を明確にする狙いがある。

三位一体の改革における税源移譲

税源移譲が大規模に実施されたのは、平成16年度から18年度にかけて行われた三位一体の改革においてである。この改革は、国庫補助負担金の改革、地方交付税の改革、そして国から地方への税源移譲の三つを一体的に進めるものであり、約4.7兆円の国庫補助負担金改革と約3兆円規模の税源移譲が行われた。税源移譲は、所得税(国税)の税率構造を見直して税負担を引き下げる一方、個人住民税所得割の税率をそれまでの累進構造から一律10%へと改めることで実現された。これにより、地方が国を介さずに直接確保できる税収が増え、地方の自主財源比率が高まった。

自主財源強化としての意義と限界

税源移譲は、補助金や地方交付税のように国の関与を伴う依存財源と異なり、地方が自らの権限で課税・徴収する自主財源を増やす。受益と負担の対応関係が住民にとって見えやすくなり、地方の財政責任を明確にする効果が期待された。一方で、税源は地域の経済力に応じて偏在するため、税源移譲だけを進めると財政力の弱い団体と強い団体の格差が広がりうる。この偏在を是正するのが地方交付税の財源調整機能であり、税源移譲は交付税による調整と組み合わせて初めて全国的な行政水準を維持できる。税源の偏在性が小さい税目を地方税として配分する税源配分の議論も、この文脈で続いている。

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