所得割とは、個人住民税において、前年の所得金額をもとに算定され、所得に応じて課される部分をいう(地方税法)。所得の多寡にかかわらず定額で課される均等割とあわせて個人住民税を構成する。
税は負担できる力に応じて求めるべきだという考え方を、住民税のなかで担うのが所得割である。前年の所得をもとに計算され、所得が多いほど負担も大きくなる部分で、定額の均等割とあわせて個人住民税を構成する。
所得割は、前年の所得金額から所得控除を差し引いた課税所得に税率を掛けて算定される。住民税の所得割の税率は、所得の高低にかかわらず一律とされており、累進的な国の所得税とあわせて、全体として負担能力に応じた課税が図られている。前年の所得を基準とするため、退職などで所得が大きく減った年でも前年の所得に応じた税がかかる点や、新たに就職した年の翌年から負担が生じる点など、課税の時期と所得が生じた時期がずれることが、納税者の実感とのずれを生みやすい。
前年所得課税という仕組みとそのずれ
個人住民税の所得割は、その年の所得ではなく前年の所得をもとに課される前年所得課税の方式をとる。これは、所得が確定してから課税するためには一定の期間が必要であり、前年の所得を基礎とすることで賦課事務を安定して行えるためである。しかしこの仕組みは、納税者の実感とのずれを生む。たとえば、退職して収入が大きく減った年でも、前年に所得があれば住民税の負担は続く。逆に、新卒で就職した一年目は前年に所得がないため住民税がかからず、二年目から負担が始まる。所得の変動が大きい人にとっては、負担の重い時期と収入の少ない時期が重なることがあり、納付の相談や徴収猶予の対象となることもある。
所得税との税率構造の違い
所得に応じて課されるという点では所得税と所得割は共通するが、税率の構造は異なる。国の所得税は、所得が高くなるほど税率が段階的に上がる累進税率をとる。これに対し個人住民税の所得割は、所得の高低にかかわらず原則として一律の比例税率をとる。これは、住民税が地域社会の費用を広く分かち合う性格を持ち、所得の再分配は主に国の所得税が担うという役割分担に基づく。納税者から見ると、所得税と住民税は同じ所得を基礎としながら税率の考え方が違うため、手取りに対する負担を理解するには両者を合わせてみる必要がある。
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