本文へスキップ
ジチテン

予防接種健康被害救済制度

読み:よぼうせっしゅけんこうひがいきゅうさいせいど

意味

予防接種健康被害救済制度とは、予防接種法に基づく予防接種を受けた人に健康被害が生じ、厚生労働大臣が接種との因果関係を認定したときに、市町村が医療費や障害年金等を給付する制度をいう。

ワクチンの副反応で重い障害が残ったとき、被接種者は誰に救済を求めるのか。予防接種は感染症のまん延を防ぐ社会防衛の性格を持ち、極めてまれであっても不可避的に健康被害が生じうる。このため予防接種法は、過失の有無を問わない無過失の救済制度を設け、定期接種等による健康被害を国の責任で救済する仕組みを用意している。請求の受付窓口は接種時に住民票のあった市町村であり、市町村は予防接種健康被害調査委員会で医学的な調査を行ったうえで都道府県を経由して国に進達し、国の疾病・障害認定審査会の審査を経て厚生労働大臣が認定する。認定されると医療費、医療手当、障害児養育年金、障害年金、死亡一時金、葬祭料等が支給される。新型コロナワクチンで請求件数が急増し、住民にとって縁遠かったこの制度は市町村の予防接種担当課の主要業務の一つになった。

認定の考え方と給付の体系

救済の認定では、厳密な医学的因果関係の証明までは求められず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象に含める考え方が採られている。給付はA類疾病(麻しん、風しん等の定期接種)とB類疾病(高齢者のインフルエンザ等)で水準が異なり、A類では医療費、医療手当、障害児養育年金、障害年金、死亡一時金、葬祭料等が、B類では医療費・医療手当のほか遺族年金や遺族一時金等が支給される。定期接種でない任意接種による健康被害は、この制度ではなく医薬品医療機器総合機構(PMDA)の医薬品副作用被害救済制度の対象となるため、接種の法的位置づけが救済の入口を分ける。

市町村の実務の流れ

請求者は診療録や接種記録などの資料を添えて市町村に請求する。市町村は医師等で構成する予防接種健康被害調査委員会を開いて事実関係を整理し、都道府県を経由して国へ進達する。国の疾病・障害認定審査会の審査には相当の期間を要し、結果が出るまでの請求者への経過説明や資料の追完が市町村の窓口業務になる。認定後の給付の支給も市町村が行い、費用は国2分の1、都道府県4分の1、市町村4分の1の法定割合で負担される。新型コロナワクチンの特例臨時接種をめぐっては全国で数千件規模の請求が行われ、調査委員会の開催体制や進達の遅れが課題として顕在化した。

つながりのある用語

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)