職務専念義務免除(職専免)とは、地方公務員が負う職務専念義務を、法律又は条例に特別の定めがある場合に、任命権者の承認によって特定の時間や事由について解除することをいう。地方公務員法第35条が定める職務専念義務の例外であり、研修や厚生計画への参加、適法な交渉などがその対象となる。
勤務時間中の職員は職務に専念する義務を負うが、現実には研修の受講や健康診断、組合活動としての適法な交渉など、職務そのものではない活動に時間を割く必要が生じる。これらを義務違反として扱わないために、あらかじめ義務を解除しておく手続が職務専念義務免除であり、現場では「職専免」と略される。
免除には法律又は条例上の根拠が必要で、各団体は職員の職務専念義務の特例に関する条例などで免除できる事由を列挙し、その範囲で任命権者(またはその委任を受けた所属長)が個別に承認する。給与を支給したまま免除する有給のものと、給与を支給しない無給のものがあり、事由ごとに取扱いが定められている。
似た制度に年次有給休暇や休職があるが、これらが「勤務を要しない」状態をつくるのに対し、職専免はあくまで勤務時間内にありながら専念義務だけを部分的に外す点で異なる。どの活動を職専免で処理し、どれを休暇として扱うかの線引きは、人事・給与実務でしばしば判断を要する論点となる。
免除に必要な根拠と承認の仕組み
職務専念義務は地方公務員法第35条が定める服務上の義務であり、同条は「法律又は条例に特別の定がある場合を除く外」職務に専念しなければならないとする。したがって免除も、法律又は条例という根拠がなければ認められない。多くの団体は「職員の職務に専念する義務の特例に関する条例」を設け、研修・講習を受ける場合、厚生に関する計画の実施に参加する場合、適法な交渉に当たる場合など、免除できる事由を列挙している。実際の免除は、こうした条例・規則の枠内で任命権者が承認する形をとり、運用上は所属長への委任により職場単位で処理されることが多い。職員団体の役員が専従する在籍専従は、職専免ではなく休職の一形態として別に扱われる。
有給職専免と無給職専免
職専免には、給与を支給したまま義務を解く有給のものと、給与を支給しない無給のものがある。公務に資する研修の受講や、使用者側の責めに帰すべき事由による職務の中断などは有給で処理されることが多く、職員の自己都合に近い活動は無給とされる傾向がある。給与条例や勤務時間条例の枠組みの中で、どの事由をどちらに振り分けるかが定められており、給与の支給の有無は職専免を承認する際に必ず確認すべき要素となる。同じ「勤務しない時間」でも、年次有給休暇とは給与計算上の根拠が異なる。
年次有給休暇・休職との違い
職専免は、勤務時間内に身分を保ったまま専念義務だけを解除する点で、勤務そのものを要しないとする年次有給休暇や、一定期間職務から完全に離れる休職とは性質が異なる。年休は職員の請求によって成立する権利であるのに対し、職専免は任命権者の承認を要する。窓口や人事の実務では、ある活動を職専免・年休・出張のいずれで処理するかによって、給与の支給や公務災害の取扱いが変わるため、活動の性質に応じてどの扱いに当てはまるかを見極める場面が多い。
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