指定区域とは、土壌汚染対策法に基づき、土壌汚染状況調査の結果、特定有害物質による汚染が基準を超えると判明した土地について都道府県知事が指定する区域の総称をいい、要措置区域と形質変更時要届出区域の二類型からなる。
土壌汚染対策法では、調査で汚染が判明した土地を一律に同じ扱いとするのではなく、健康被害のおそれの有無によって規制の強さを変える——その振り分けの器が指定区域である。具体的には、汚染の摂取経路があり健康被害のおそれがあるため汚染の除去等の措置が必要な要措置区域と、摂取経路がなく直ちに措置までは要しないものの土地の形質変更時に届出を要する形質変更時要届出区域とに区分される。いずれの区域も都道府県知事が台帳に記載して公示・閲覧に供するため、土地の売買や開発の際にデューデリジェンスの対象となり、不動産取引や工場跡地の再開発で実務上の重みを持つ。自治体の環境部局にとっては、調査命令・区域指定・措置命令という一連の権限行使の中核であり、指定の有無が土地利用の制約を大きく左右する。指定が解除されるには、汚染の除去等によって基準に適合した状態になることの確認が必要となる。
二つの区域——規制の強さを分ける考え方
指定区域は、汚染の存在そのものではなく「人が汚染に触れる経路があるか」を基準に二つに分けられる。要措置区域は、地下水の飲用や汚染土壌の直接摂取といった摂取経路があり健康被害が生ずるおそれがあるため、都道府県知事が汚染の除去等の措置を講ずべきことを指示する区域である。これに対し形質変更時要届出区域は、汚染はあるが摂取経路がなく直ちに措置を要しない区域で、土地の形質変更を行おうとする者にあらかじめの届出を義務づけることで、汚染の拡散や新たな摂取経路の発生を防ぐ。同じ汚染地でも規制の強さが異なるのはこの違いによる。
台帳と土地取引——指定が持つ実務上の重み
都道府県知事は指定区域を指定するとともに、その区域を記載した台帳を調製して閲覧に供する。指定区域に該当する土地は、形質変更や掘削に届出・規制がかかり、汚染土壌を区域外へ搬出する際には汚染土壌処理業者への委託など厳格な手続が求められる。このため工場跡地の再開発や不動産取引では指定の有無が資産価値や事業スケジュールを左右し、土壌汚染状況調査の結果と併せて取引前の重要な確認事項となる。
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