ジチテン

措置命令

読み:そちめいれい

別名:原状回復命令
意味

措置命令とは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき、不法投棄や基準違反の処分によって生活環境保全上の支障が生じるおそれがある場合に、都道府県知事等が原因者に対して支障の除去等の措置を講ずべきことを命じる行政処分である。

不法投棄された廃棄物を行政が税金で撤去すれば、汚した者が費用を免れ、まじめに処理した事業者ほど損をする。措置命令は、この不公平を断つために汚染原因者へ撤去・覆土・水質改善などの原状回復を法的義務として課す手段である。命令に従わない場合は行政代執行に進み、費用を原因者から徴収できるため、命令は代執行の前提となる手続でもある。発令対象は不法投棄の実行者にとどまらず、処理基準に適合しない委託をした排出事業者や、許可業者でないことを知りつつ委託した者など、支障の発生に関与した者へ拡大されている(措置命令の対象者の拡大)。原因者が不明・無資力で命令を打てないときは、行政が支障除去を肩代わりする原状回復の枠組み(産業廃棄物適正処理推進センターの基金等)が補完する。

排出事業者まで命令が及ぶ「排出事業者責任」の射程

措置命令の名宛人は、現に不法投棄した実行者だけではない。廃棄物処理法は、委託基準に違反して処理を委託した排出事業者、許可を持たない者へ委託した者、再委託禁止に違反した者など、適正処理を確保すべき立場にありながらそれを怠った者へ命令対象を広げている。これは排出事業者責任(最終処分まで責任を負う原則)を担保する仕組みであり、委託先の業者が投棄して逃げても、安かろうという理由で不適正な業者を選んだ排出事業者が原状回復費用を負わされうることを意味する。マニフェスト(産業廃棄物管理票)で処理の流れを把握する義務も、この命令リスクを回避するための注意義務として位置づけられる。

命令から行政代執行・費用徴収までの流れ

措置命令は単独で完結する処分ではなく、原状回復を実現する一連の手続の起点である。知事等は期限を定めて支障除去を命じ、命じられた者が履行しないとき、または履行しても十分でないとき、行政代執行法の手続により行政が自ら除去を行い、その費用を義務者から徴収する。原因者が判明せず命令を打てない場合や、命じても無資力で履行が見込めない場合に備え、産業廃棄物については排出事業者の負担金等を原資とする基金から行政の支障除去費用を支援する仕組み(産業廃棄物適正処理推進センターによる原状回復事業)が用意されている。命令は出して終わりではなく、誰の費用で誰が現実に環境を回復するかという財源問題と一体で運用される。

つながりのある用語

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)