赤字の年には所得を基準とする税負担がゼロになる法人でも、その経営規模に応じた負担を求めるには、利益とは別の物差しが要る。資本割は、法人事業税の外形標準課税においてこの役割を担う要素で、各事業年度終了時の資本金等の額を課税標準とする。付加価値割・所得割と並んで外形標準課税の三要素を構成し、対象は資本金1億円超の法人である。資本金等という景気に左右されにくい規模を基準とするため、赤字法人でも資本割の分は負担が生じ、都道府県の法人事業税の税収を安定させる効果を持つ。賦課徴収は法人事業税の一部として都道府県が行う。
資本金等の額を課税標準とする規模基準
資本割は、各事業年度終了の日における資本金等の額を課税標準とし、これに税率を乗じて税額を算定する。資本金等の額とは、おおむね資本金に資本準備金等を加えた、法人が事業の元手として保有する規模を示す金額である。所得割が利益に着目するのに対し、資本割は利益の有無にかかわらず存在する経営規模そのものに着目する。これにより、赤字で所得割が生じない年であっても資本割の分の負担は残り、行政サービスから受益しながら負担しない法人が生じる事態を避ける設計になっている。課税標準が利益のように年ごとに大きく振れないため、都道府県の税収を安定させる役割を担う。
巨大法人への負担集中を抑える圧縮措置
資本金等の額が大きい法人ほど資本割の負担も比例して大きくなるため、資本金が著しく大きい法人では負担が過大になりうる。これに対処するため、資本金等の額が一定額を超える部分については課税標準を段階的に圧縮する仕組みが設けられている。また、持株会社のように総資産に占める子会社株式の割合が高い法人については、その株式相当分を資本金等の額から控除する措置がある。これらは資本割が経営規模に応じた応益的な負担を求める趣旨を保ちつつ、規模が極端に大きい法人への負担集中を緩和するための調整である。法人事業税の申告を受ける都道府県税事務所は、これらの圧縮や控除を反映して資本割の税額を確認する。
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