外形標準課税とは、法人の所得ではなく、外形的な経営規模(付加価値額・資本金等の額)を課税標準として課税する法人事業税の課税方式のことである。地方税法第72条の2第1項に基づき、資本金1億円超の法人に適用され、赤字企業にも一定の税負担を求める。
法人事業税を所得だけに課すと、赤字の年は税負担がゼロになり、行政サービスを使いながら負担しない法人が生じるうえ、自治体の税収も景気で大きく揺れる。外形標準課税は、所得ではなく付加価値額や資本金等の外形的な経営規模を課税標準とする法人事業税の課税方式で、地方税法第72条の2第1項に基づき資本金1億円超の法人に適用される。
従来の法人事業税は所得割のみだったが、2004年度(平成16年度)の地方税法改正で資本金1億円超の法人に外形標準課税が導入された。税額は、賃金や利益等の付加価値額を基準とする付加価値割、資本金等の額を基準とする資本割、所得を基準とする所得割の三要素で算定し、赤字法人でも付加価値割・資本割の分の負担が生じる。都道府県税(法人事業税)として課税されるため、税収の安定化に資する。
導入の経緯と目的
外形標準課税は1990年代後半からの「法人実効税率の引き下げ」と「課税ベースの拡大」という税制改革の方向性に対応して議論が進められた。赤字法人が行政サービスを消費しながら法人事業税を一切負担しないという「負担の不公平」を是正し、都道府県の法人事業税収入の安定化(所得に連動した税収の浮き沈みを緩和)を目的とする。2004年度の導入以来、資本割・付加価値割の比率が段階的に引き上げられ、所得割の比率が引き下げられる改正が繰り返されてきた。
対象法人と算定方式
資本金1億円超の普通法人が対象(協同組合等・特定目的会社等の一部は別扱い)。税額は、付加価値割(付加価値額×標準税率1.2%)、資本割(資本金等の額×標準税率0.5%)、所得割(所得金額×標準税率0.4%〜7.0%、所得規模別)の合計で算定される(税率は令和元年10月以降の標準税率。改正により変動するため最新の地方税法を確認すること)。なお、資本金1億円以下の中小法人は対象外で所得割のみが課されるが、減資によって対象を免れる事例が問題視され、2024年度税制改正で対象範囲の見直し(一定の大規模法人の捕捉)が行われた。
都道府県の徴収実務
外形標準課税の申告・納付は都道府県に対して行われる。法人が複数の都道府県に事業所を持つ場合は分割計算(従業員数等によって各都道府県への税額を按分)する。都道府県の税務担当部局(総務部・財政部等の法人二税担当課)が申告書の確認・調査・更正決定等の事務を行う。市区町村の担当者には直接の徴収権限はないが、固定資産税(資産状況の把握)との照合等で間接的に連携することがある。申告内容の確認や調査には付加価値・資本の計算に関する専門知識を要するため、都道府県は法人二税の担当職員の育成や国税当局との情報連携を重視している。
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