専門研修とは、職員が特定の職務分野に必要な専門的知識・技能を習得するために行われる職員研修である。
税務や福祉、土木、情報システムなど、配属先の業務を的確にこなすにはその分野固有の知識が欠かせない。専門研修は、こうした特定分野の実務能力を高めるために行う職員研修で、職位の段階に応じて行う階層別研修とは目的が異なる。地方公務員法第39条は職員に研修の機会が与えられなければならないと定め、任命権者がその実施に責任を負う。内容は、法令解釈や専門資格の取得支援、制度改正への対応など、分野ごとに設計される。庁内で行うもののほか、市町村職員中央研修所などの研修機関や外部機関への派遣によって行われるものもある。
階層別研修と異なり職務分野の専門性を高める
職員研修は、対象や目的によっていくつかの種類に分けられる。新規採用者研修や係長級研修のように職位の段階ごとに共通の素養を養うのが階層別研修であるのに対し、専門研修は税務・福祉・用地・建築・情報など特定の職務分野に必要な実務知識と技能を深めることを狙う。同じ職位でも担当業務が違えば必要な専門性が異なるため、配属や職務に応じて受講する研修が選ばれる。法改正や新しい制度の導入があれば、その分野の担当者向けに専門研修が組まれることも多い。階層別研修が職員全体の底上げを担うのに対し、専門研修は個々の職務の質を支えるという役割分担になっている。
庁内実施と外部機関への派遣という実施形態
専門研修の実施形態は一つではない。庁内の研修担当課が講師を招いて行う集合研修のほか、実際の職務を通じて先輩職員が指導するオン・ザ・ジョブ・トレーニング、外部の専門機関への派遣など、分野と狙いに応じて使い分けられる。広域では、市町村職員中央研修所や全国市町村国際文化研修所、都道府県や指定都市が設ける研修機関が、単独の市町村では用意しにくい高度・専門的な研修を提供している。国の機関や民間の専門団体が開く研修に職員を派遣する例もある。小規模な団体ほど自前で専門研修をそろえるのは難しく、こうした広域・外部の研修資源をどう活用するかが人材育成の鍵となる。
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