ジチテン

災害援護資金

読み:さいがいえんごしきん

意味

災害援護資金とは、災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき、自然災害で負傷したり住居・家財に被害を受けたりした世帯に対し、市町村が生活の再建に必要な資金を低利で貸し付ける制度である。

住宅が壊れ家財を失った被災世帯が当面の生活を立て直すには、給付だけでは足りずまとまった現金が要る——その資金を貸し付けて生活再建をつなぐのが災害援護資金である。災害弔慰金の支給等に関する法律を根拠に市町村が実施主体となり、世帯主の負傷や住居・家財の損害の程度に応じて最高350万円を貸し付ける。所得制限があり、被害が一定規模にした災害が対象になる点で、誰にでも出る給付ではなく、生活再建支援金(給付)や災害弔慰金(死亡時の給付)とは性格が異なる。償還期間は10年で、原資は国が3分の2、都道府県または指定都市が3分の1を負担する仕組みである。難しいのは、貸付ゆえに返済が前提となり、被災後に収入が落ち込んだ世帯では償還が滞りやすく、過去の大災害では返済免除や少額償還をめぐる運用が市町村の課題になった点である。被災者支援のなかで給付と貸付をどう組み合わせるかを、自治体は世帯の状況に応じて案内する必要がある。

「貸付」ゆえの位置づけ

災害援護資金は給付ではなく貸付である点が、災害弔慰金や被災者生活再建支援金との決定的な違いである。返済を前提とするため、所得制限が設けられ、被害の程度(世帯主の負傷の有無、家財・住居の損害区分)に応じて貸付限度額が最高350万円まで段階的に定められている。償還期間は据置期間を含めて10年で、原資は国が3分の2、都道府県または指定都市が3分の1を負担する。給付では足りない生活再建資金を、低利・長期の借入で補う制度であり、被災者支援のメニューのなかでは給付と並ぶ柱の一つとして案内される。

返済が滞るという構造的な問題

貸付である以上、償還期間(10年)のうちに返済しなければならないが、被災で職や収入を失った世帯では返済が難しくなりやすい。阪神・淡路大震災など過去の大規模災害では、償還期限を過ぎても返せない借受人が多数生じ、返済免除の要件や少額償還の取り扱いをめぐって市町村が長く対応を迫られた。法改正で償還免除の対象が広げられた経緯もあり、貸付時の説明と、返済困難時の相談体制を市町村があらかじめ整えておくことが実務上の要点になる。

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