給与支払報告書とは、給与の支払者が前年中に支払った給与の額などを記載し、受給者が1月1日に住所を有する市区町村へ翌年1月末日までに提出する個人住民税の課税資料をいう。
個人住民税の課税額は、市区町村がどの資料を根拠に算定しているのか。給与所得者の住民税は本人の申告ではなく、勤務先が提出するこの報告書を主たる根拠として市区町村が税額を計算する。地方税法第317条の6に基づき、給与支払者は受給者ごとに前年分の支払額・社会保険料・扶養親族の状況などを記載した報告書を作成し、各受給者の1月1日現在の住所地市区町村へ提出する。記載内容は国税の源泉徴収票と同一様式で、eLTAX を用いて電子的に一括提出されることが多い。市区町村はこの報告書と確定申告のデータを突合して課税所得を確定し、特別徴収税額決定通知書を勤務先へ送付して6月以降の特別徴収につなげる。退職者や転職者の住所地が変わる場合は提出先の判定を誤りやすく、課税漏れや二重課税の原因となるため、受給者の異動管理が実務上の要点となる。
提出先と提出期限
提出先は、受給者が翌年1月1日現在に住所を有する市区町村である。前年中に退職した者についても、年間の給与支払額が30万円を超える場合は報告書を提出しなければならない。提出期限は支払があった年の翌年1月31日で、源泉徴収票の税務署提出期限と同一に揃えられている。期限を過ぎると市区町村側の課税事務が遅れ、当初課税に間に合わず随時課税や更正の対象となるため、年末調整の確定後すみやかに作成する運用が定着している。eLTAX を用いれば国税の源泉徴収票と一体的に作成し、複数の市区町村へ一括送信できる。
特別徴収への接続
市区町村は提出された報告書から各受給者の課税所得と住民税額を算定し、その結果を特別徴収税額決定通知書として5月までに給与支払者へ通知する。給与支払者はこの通知に基づき6月から翌年5月までの12回に分けて毎月の給与から住民税を天引きし、徴収した税額を翌月10日までに市区町村へ納入する。報告書の提出が特別徴収の起点であり、提出内容の誤りはそのまま天引き額の誤りに直結する。受給者の住所異動や退職があった場合は給与支払者から市区町村へ異動届出書を提出し、徴収方法の切替えや残額の一括徴収を行う。
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