記念物は、文化財のなかでも土地や場所と分かちがたく結びついた対象を保護するための括りである。歴史上・学術上価値の高い遺跡を史跡、観賞上・芸術上価値の高い土地を名勝、学術上価値の高い動物・植物・地質鉱物を天然記念物とし、特に重要なものは「特別史跡」「特別名勝」「特別天然記念物」として一段高い保護がかけられる。土地に固定されているため、保存と土地利用・開発との調整が宿命的な課題となり、史跡の現状を変更するには文化庁長官の許可を要するなど、強い規制が働く。自治体では、記念物の指定・管理が文化財担当部局の所管となる一方、その範囲が開発計画や都市計画と重なることが多く、用地買収や整備事業を伴う場合もある。埋蔵文化財も発掘により記念物として把握・指定されることがあり、開発事業との事前調整の実務に直結する。
三つの種別——史跡・名勝・天然記念物
記念物は大きく三つに分かれる。史跡は貝塚・古墳・都城跡・城跡・旧宅など歴史上・学術上価値の高い遺跡を、名勝は庭園・橋梁・峡谷・海浜・山岳など観賞上・芸術上価値の高い土地を、天然記念物は動物・植物・地質鉱物および天然保護区域のうち学術上価値の高いものを対象とする。一つの場所が史跡かつ名勝として指定される例もある。いずれも土地に根ざすため、現状変更や保存に関する規制が土地利用に及ぶ。
現状変更と許可——なぜ規制が強いか
史跡・名勝・天然記念物に指定された区域では、その現状を変更し、または保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、原則として文化庁長官の許可を要する。可動の美術工芸品と違い、対象を動かして保護することができないため、周辺の開発や工事との調整が不可避となるからである。自治体の開発担当部局にとっては、計画地が記念物の指定区域や埋蔵文化財包蔵地に当たらないかの確認が、事業の初期段階で欠かせない手続となる。
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