危機管理監とは、自治体において災害や大規模事故などの危機事象への対応を全庁的に統括する管理職で、通常は条例や規程に基づき副市長級・部長級の権限を与えて置かれる職である。
大災害の初動で部局がばらばらに動けば、情報も指揮も分断され対応が後手に回る——この縦割りを束ねて即応するために置かれるのが危機管理監である。防災・消防・福祉・土木など複数部局にまたがる危機対応を、平時から訓練・計画づくりで横串を通し、発災時には首長・副首長を補佐して全庁の指揮を一元化する役割を担う。国の安全保障会議や危機管理の体制を参考に、阪神・淡路大震災以降、都道府県や政令市を中心に設置が広がった。法律で全国一律に義務づけられた職ではなく、各団体が条例や組織規程で位置づけを定めるため、副市長級として強い権限を持たせる例から、部長級の防災担当責任者にとどまる例まで権限の幅は団体によって異なる。常設の危機管理部局を率いて自衛隊・警察・消防・ライフライン事業者との連絡調整の窓口を一本化し、災害対策本部が立ち上がるまでの空白を埋める司令塔として機能するかどうかが、その実効性を分ける。
縦割りを束ねるための「横串」の職
危機管理監の存在理由は、平時は各部局に分散している危機対応機能を、一人の責任者のもとに集約して即応性を高める点にある。発災直後は、被害情報の収集、災害対策本部の立ち上げ、関係機関との連絡を同時並行で進める必要があり、部局任せにすると指揮系統が割れる。危機管理監は首長・副首長を補佐してこれを一元的にさばき、平時には地域防災計画や業務継続計画、訓練の取りまとめ役として全庁の備えに横串を通す。自衛隊・警察・消防・ライフライン事業者との連絡調整の窓口を一本化し、災害対策本部が立ち上がるまでの空白を埋める司令塔となる。
権限は団体ごとにばらつく
危機管理監は法律で全国一律に設けられた職ではなく、団体ごとに条例や組織規程で設置と権限を定める。このため、副市長級・副知事級として他部局へ指示できる強い権限を持つ団体もあれば、部長級の防災担当責任者という位置づけにとどまる団体もあり、いざというときの指揮の通りやすさに差が出る。職の名称や所属組織(危機管理部・危機管理室など)も団体によって異なるため、肩書だけでなく与えられた権限の実質を見る必要がある。
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