ジチテン

児童虐待

読み:じどうぎゃくたい

意味

児童虐待とは、保護者がその監護する児童に対して行う、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト(養育の放棄)、心理的虐待をいう。児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)がこの四つの類型を定め、虐待を受けたと思われる児童を発見した者に通告の義務を課している。

子どもへの虐待は家庭という閉じた場で起き、外から見えにくいため、社会が気づいたときには深刻化していることが少なくない。児童虐待とは、保護者がその監護する児童の心身を傷つける行為の総称で、いかに早く見つけて対応するかが制度の最大の課題となる。

児童虐待防止法は、虐待を身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の四つに分類し、虐待を受けたと思われる児童を発見した者に、市町村児童相談所などへ通告する義務を課している。通告は確証がなくてもよく、疑いの段階で行ってよいとされている。通告を受けた児童相談所や市町村は、速やかに安全を確認し、必要に応じて一時保護や保護者への指導を行う。地域では要保護児童対策地域協議会が関係機関をつなぎ、見守りと支援にあたる。

四つの類型と判断の難しさ

児童虐待防止法は虐待を四類型に分ける。身体的虐待は殴る、蹴るなど身体への暴行、性的虐待は児童へのわいせつな行為やその強要、ネグレクトは食事を与えない、病気でも受診させないなど養育の著しい怠り、心理的虐待は暴言や無視、子どもの前で家族に暴力を振るうこと(面前DV)などである。実務で難しいのは、しつけと虐待の線引きや、ネグレクトのように継続的でに見えにくい類型の把握である。とくに心理的虐待は、面前DVが類型に含まれることが知られてから通告が大きく増え、近年の児童相談所への相談対応件数で最も多い類型となっている。外形だけでは判断が割れるため、複数の目で継続的に見ることが欠かせない。

通告義務と関係機関の連携

児童虐待防止法は、虐待を受けたと思われる児童を発見したすべての人に通告義務を課す。これは確証を求めるものではなく、疑いの段階での通告を想定しており、結果として虐待でなかったとしても通告者が責任を問われることはない。通告先は市町村、都道府県の設置する福祉事務所、児童相談所で、全国共通の電話番号「189(いちはやく)」でつながる。通告を受けた機関は原則として速やかに児童の安全を確認し、必要があれば児童相談所が一時保護を行う。一つの機関だけでは家庭の全体像をつかみにくいため、地域では要保護児童対策地域協議会が、福祉、保健、医療、教育、警察などの関係機関で情報を共有し、役割を分担して見守る仕組みがとられている。

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