地方の人口減少対策の柱の一つとして、都市から地方への移住が位置づけられている。移住は、人が生活の本拠を別の土地へ移すことを指すが、自治体の施策としては、東京圏など都市部から地方への移住を促す取組を意味することが多い。
背景には、地方の人口減少と東京一極集中があり、国は移住支援金や地方創生交付金で後押しする。自治体は、移住相談窓口、お試し移住や体験ツアー、空き家バンク、就労・住宅の支援などを用意し、移住希望者の不安を一つずつ取り除こうとする。大切なのは移り住んでもらうこと自体ではなく、その後も住み続けてもらう定住につなげることであり、仕事や地域コミュニティへのなじみやすさが鍵を握る。完全な移住に至らない関係人口や二地域居住への関心も高まっている。
移住支援の施策と担い手
都市から地方への移住を促すため、国と自治体は複数の支援策を組み合わせている。代表的なのが、東京23区に在住・通勤していた人が地方へ移住して就業・起業する場合などに支給される移住支援金で、国と自治体が連携して財源を負担する。このほか、移住相談ワンストップ窓口の設置、お試し移住の住宅提供、空き家バンクによる住まいの紹介、就農・起業の支援などが組み合わされる。移住の担い手としては、地域おこし協力隊として赴任し任期後に定住する例も目立ち、外部人材の受け皿になっている。施策の効果は、移住者数だけでなく、その後の定着率で測ることが大切である。
移住・定住と関係人口
移住施策の最終的な狙いは、移り住んだ人が地域に根づく定住である。しかし、いきなり生活の本拠を移すハードルは高く、その手前の多様なかかわり方も重んじられるようになった。特定の地域に継続的にかかわる関係人口や、都市と地方の双方に拠点をもつ二地域居住は、移住に至らなくても地域の担い手や応援団となりうる。自治体は、こうした段階的なかかわりの入り口を用意し、関心をもった人を関係人口から移住・定住へと導く流れをつくろうとしている。移住を一回限りの転居としてではなく、地域とのかかわりの深まりの一段階として捉える視点が広がっている。
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