東京一極集中とは、人口・企業・経済機能・行政機能などが東京圏に過度に集中し、地方からの転入超過が続く状態をいう。
なぜ地方創生が国の政策課題になったのか――その根底にあるのが東京一極集中である。進学・就職を機に若年層が東京圏へ流出し、地方では人口減少と高齢化が加速する一方、東京圏には人口・大企業の本社・大学・行政機能が集まり続けている。東京圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)への転入超過は、リーマンショック直後や新型コロナ禍の一時期を除き長年続いてきた。この集中は、地方の活力低下だけでなく、東京圏自体の通勤混雑や住宅費高騰、出生率の低さによる国全体の人口減少加速、首都直下地震など災害時のリスク集中といった問題も生む。是正は地方創生・国土政策の中心的な目標とされ、企業の地方移転促進や移住支援、政府関係機関の地方移転などの施策が講じられてきた。
是正に向けた政策
東京一極集中の是正は、2014年に始まる地方創生の中核目標に据えられた。当初は「東京圏への転入と地方からの転出を均衡させる」目標が掲げられたが、達成には至っていない。具体策として、企業の本社機能を地方へ移す地方拠点強化税制、東京23区の大学の定員抑制、政府関係機関の地方移転、移住者への支援金(移住支援金)、企業版ふるさと納税などが講じられてきた。コロナ禍ではテレワークの普及で一時的に転入超過が縮小し、二地域居住やワーケーションへの関心が高まったが、その後は再び転入超過に戻る傾向がみられる。
集中がもたらす構造的リスク
東京一極集中は、地方の人口減少を加速させるだけでなく、国全体に固有のリスクをもたらす。第一に、東京圏は全国で最も合計特殊出生率が低く、出生率の低い地域に若年人口が集まること自体が国全体の少子化を進める「人口のブラックホール」と指摘される。第二に、政治・経済・情報の機能が一地域に集まることで、首都直下地震などの大規模災害時に国家機能が同時に麻痺するリスクが高い。第三に、東京圏では住宅費や通勤負担が重く、若年層の生活基盤や子育て環境を圧迫する。これらは集中が進むほど深刻化する構造的な問題である。
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