ジチテン

保護の補足性

読み:ほごのほそくせい

別名:補足性の原理
意味

保護の補足性とは、生活保護法第4条が定める原理で、生活保護は資産・能力その他あらゆるものを活用し、扶養義務者の扶養や他法他施策による給付を優先させ、なお最低生活が維持できない場合に初めて適用されるという原則である。

生活保護は、困窮していれば誰でも無条件に受けられる制度ではない。手持ちの資産や働く能力をまず活用し、年金や手当など他の制度で受けられる給付を先に受け、親族からの扶養が可能ならそれを優先したうえで、それでも最低生活費に届かない部分を補うのが生活保護である。この「他のあらゆる手段の後に来る」性格が保護の補足性であり、生活保護法第4条が定める。資産調査扶養照会・他法他施策の優先確認といった申請時の事務は、いずれもこの補足性を確認するための手続である。窓口では、どこまでの資産活用を求めるか、扶養照会をどの範囲に行うかが、申請者の保護の要否と尊厳の両面で論点になる。

補足性が申請事務を規定する

保護の補足性は、生活保護が最後のセーフティネットであることを法的に表した原理である。生活保護法第4条は、保護の要件として、資産・能力その他あらゆるものの活用、扶養義務者による扶養や他の法律による扶助の優先を定める。このため申請時には、預貯金や不動産・自動車などの資産の有無を確認する資産調査、親族への扶養可能性を尋ねる扶養照会、年金や各種手当など他法他施策で受けられる給付の確認が行われる。

もっとも、補足性は無制限の私財処分や扶養強制を意味しない。自立に資する資産(居住用の家屋や就労に必要な自動車など)は一定の範囲で保有が認められ、扶養は申請者の意に反して強制されるものではない。近年は扶養照会が申請の心理的障壁となる問題が指摘され、照会の運用が見直されている。補足性の確認をどこまで厳格に行うかは、不正・過大支給の防止と、必要な人を制度から排除しない要請との均衡として、福祉事務所の実務判断に委ねられる部分が大きい。

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