学齢簿とは、学校教育法施行令に基づき市町村の教育委員会が、その区域内に住所を有する学齢児童生徒について編製する名簿である。
義務教育の就学義務を確実に果たさせるには、市町村が「どの子が今年小学校・中学校に上がるべきか」を正確に把握していなければならない。把握の漏れがあれば、就学通知が届かず学校に通えない子どもが生じる。学齢簿は、就学させるべき子どもを学齢に達する前から一人ずつ登載し、就学事務の土台となる名簿である。
学校教育法施行令を根拠に、市町村教育委員会が住民基本台帳に基づいて編製する。翌学年に小学校へ就学する子ども(学齢簿の作成は就学する年度の前年度の一定期日まで)について、氏名・住所・保護者・就学予定校などを記載する。これをもとに就学時健康診断の通知や、入学する学校を知らせる就学通知(入学期日等の通知)が送られる。
転入・転出があれば学齢簿を異動させ、就学校の変更や区域外就学の管理にも用いる。住民基本台帳と連動して作成されるため、住民登録のない子ども(無戸籍・外国籍など)の就学が漏れやすく、これらの子の把握と就学案内が市町村教育委員会の実務上の課題となる。
就学事務の起点としての学齢簿
学齢簿は、市町村が義務教育の就学に関する一連の事務(就学事務)を進めるための起点となる帳簿である。学校教育法施行令に基づき、住民基本台帳から翌年度の新入学予定者(学齢児童生徒)を抽出して編製し、これに基づいて就学時健康診断の案内、就学すべき学校の指定(通学区域に応じた指定校の決定)、入学期日と指定校を知らせる就学通知が順に行われる。編製の基準日は就学予定者については10月1日が通例で、学齢簿が正確でなければ就学通知の漏れや誤りが生じ、就学義務の履行確保に支障が出る。
住民登録に乗らない子どもの把握
学齢簿は住民基本台帳を基礎に作るため、住民登録がない子どもは登載から漏れやすい。無戸籍の子ども、住民登録をしていない外国籍の子ども、ドメスティック・バイオレンス等で住所を秘匿している世帯の子どもなどがこれに当たる。これらの子どもが就学から取り残されないよう、市町村教育委員会は福祉部門や関係機関と連携して居住の実態を把握し、住民登録の有無にかかわらず就学の機会を案内する対応をとる。住所秘匿世帯では、加害者に居所が知られないよう情報の取扱いに配慮しつつ就学先を確保する実務上の難しさもある。
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