ジチテン

小さな拠点

読み:ちいさなきょてん

意味

小さな拠点とは、人口減少が進む中山間地域などで、商店・診療所・行政窓口・公共交通の結節点といった生活サービスを一定の地区にまとめ、周辺集落と交通で結ぶ取組をいう。

中山間地域では、人口減少で一つひとつの集落が小規模化し、商店や診療所、ガソリンスタンドなどの生活サービスが個別の集落では維持できなくなる。そこで、複数の集落が集まる範囲(旧小学校区程度)の中心に、暮らしに必要な機能を歩いて回れる範囲に集め、周辺集落とは公共交通やデマンド交通で結ぶ考え方が小さな拠点である。国の国土形成計画やまち・ひと・しごと創生で位置づけられ、廃校や旧役場庁舎、空き店舗を活用して、商店・診療所・郵便局・コミュニティ機能などを一カ所に集約する。運営の担い手として地域運営組織が置かれることが多い。一極集中ではなく、過疎地域でも暮らしを支える生活圏を維持するための、コンパクトな受け皿づくりである。

機能の集約と交通による結節

小さな拠点の発想は、二つの動きを組み合わせる点にある。一つは集約で、人口減少で個々の集落では成り立たなくなった生活サービス(買い物・医療・金融・行政窓口・交流の場など)を、複数集落の中心となる地区に集め、歩いて回れる範囲に配置する。もう一つは結節で、周辺に散らばる集落と拠点との間を、コミュニティバスやデマンド交通、住民互助の送迎などで結び、拠点へアクセスできるようにする。この「集めて、つなぐ」二段構えにより、すべての集落に施設を維持できなくても、地域全体として生活機能を保てる。都市部のコンパクトシティに対応する、中山間地域版の生活圏維持策といえる。

運営の担い手と施設の活用

小さな拠点を実際に動かすには、誰が運営するかが鍵となる。地域の自治会・NPO・住民有志が母体となる地域運営組織(RMO)が運営主体となる例が多く、商店やガソリンスタンド、コミュニティカフェ、配食・見守りなどの事業を住民自らが担う。施設としては、統廃合で生じた廃校や、使われなくなった役場の支所・JA店舗・空き店舗などを転用する例が多く、廃校活用とも重なる。事業の採算は厳しく、行政の支援や複数事業の組み合わせ(兼業化)で何とか維持するのが実情である。小さな拠点は、施設整備だけでなく、それを運営し続ける地域の体制と人材を育てられるかどうかが持続の条件となる。

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