コミュニティバスとは、市町村が主体となって運行する、地域住民の生活の足を確保するための小型乗合バスをいう。
路線バスは採算が取れる路線でなければ民間事業者が維持できず、不採算な地域では撤退や減便が進む。これにより生じる移動の空白を、行政が主体となって埋めるのがコミュニティバスである。市町村が、住宅地・病院・役場・スーパー・駅などを結ぶ路線を設定し、小型のバス車両で運行する。運行は市町村が直接行うのではなく、バス事業者へ委託する形が一般的で、運賃は100円や200円など低く抑えられ、不足する経費は市町村が負担する。高齢者や運転免許を持たない住民の通院・買い物の足として重要だが、運行経費の自治体負担が年々重くなり、利用が低迷する路線の見直しや、デマンド交通への転換が各地で課題となっている。地域公共交通計画の中で、路線バスやデマンド交通と役割を分担して位置づけられる。
路線バスとの違いと運行の枠組み
コミュニティバスは、民間の路線バスとは目的と運営の仕組みが異なる。民間の路線バスは、採算を前提に事業者が運行する。これに対しコミュニティバスは、採算が取れず民間では維持できない地域・路線で、住民の移動手段を確保することを目的に、市町村が主体となって運行する。運賃は採算ではなく利用しやすさを基準に低く設定され、不足分は市町村の予算で補う。運行形態は、市町村がバス事業者に運行を委託する方式が一般的で、道路運送法に基づく許可を受けて運行される。ルートは、役場・病院・商業施設・駅・住宅地など住民の生活拠点を結ぶように設定され、地域の実情に応じて巡回ルートや時刻が組まれる。
財政負担と見直し・転換の課題
コミュニティバスの最大の課題は、運行経費の自治体負担である。低運賃と不採算路線という性格上、運賃収入だけでは経費を賄えず、その差額を市町村が一般財源で負担する。路線や便数を増やせば住民の利便は高まるが、その分負担も膨らむため、財政との折り合いが常に問われる。利用が低迷する路線では、空のバスを走らせる非効率が生じ、見直しを迫られる。近年は、利用の薄い路線・時間帯をデマンド交通へ転換し、効率と利便を両立させる動きが広がっている。こうした見直しは、市町村が定める地域公共交通計画の中で、路線バス・デマンド交通・福祉輸送などとの役割分担を整理しながら進められる。住民への説明と合意形成が、見直しを円滑に進める鍵となる。
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