BCP(Business Continuity Plan:業務継続計画)とは、地震・水害・感染症・サイバー攻撃等の緊急事態が発生した場合でも、地方公共団体が優先的に継続すべき業務を特定し、許容される停止時間・水準・回復手順を定めた計画のことである。内閣府が策定した「地方公共団体における業務継続計画作成ガイド」(平成22年)が指針として機能する。
大規模災害や感染症・サイバー攻撃で庁舎・職員・システムが被害を受けても、住民への基幹的なサービスを止めるわけにはいかない。BCP(Business Continuity Plan:業務継続計画)は、緊急事態が発生しても地方公共団体が優先的に継続すべき業務を特定し、許容される停止時間・水準・回復手順を定めた計画で、内閣府の「地方公共団体における業務継続計画作成ガイド」(平成22年)が指針となっている。
自治体のBCPは、災害対応・窓口業務・財政業務等のなかから継続すべき優先業務を洗い出し、どの業務を何時間以内に回復させるかの目標復旧時間(RTO)を設定し、人員・施設・情報システムの代替手段を確保し、訓練と見直しを繰り返す、という要素を核とする。行政の業務継続は住民・事業者への公的サービスの継続保証に直結するため、大規模地震が想定される自治体では特に策定・更新が進められてきた。
BCPと地域防災計画の違い
地域防災計画(災害対策基本法第42条)が「地域全体の防災体制・住民避難・復旧復興」を定める計画であるのに対し、BCPは「自治体という組織が被災したときに自組織の業務をどう継続するか」に焦点を当てた内部管理計画である。地域防災計画が対外的な災害対応を規定するのに対し、BCPは庁内の指揮命令系統・代替施設・情報システムの復旧手順・職員の非常参集体制等の内部業務管理を定める。両者は連携して機能することで、組織外部への対応(避難者支援等)と組織内部の維持管理を両立できる。
優先業務と目標復旧時間
自治体BCPにおける優先業務(Critical Function)の代表例としては、避難誘導・避難所管理、被災者情報の管理とり災証明書の発行、医療・救急・消防対応の支援、水道・電気等のライフライン復旧支援、住民登録・印鑑登録等の基幹システムの維持、給与支給・緊急支出処理など財政・出納業務の最低限の継続がある。目標復旧時間はISO22301(事業継続マネジメントの国際規格)を参考に設定し、48時間以内・72時間以内・1週間以内等の段階で復旧目標を定める。
デジタル化とBCPの進化
情報システムの整備が進むなか、自治体BCPに「ICT継続計画(ICT-BCP)」が含まれるようになっている。住民基本台帳・税務・福祉等の基幹業務システムのクラウド化(ガバメントクラウドへの移行)は、庁舎が被災した場合でも他の端末からデータにアクセスできる環境を整える観点からBCP強化として推進される。2020年以降のコロナ禍の経験から、感染症対応BCP(職員の在宅勤務・テレワークによる業務継続)も地方公共団体のBCPの重要な要素として扱われるようになった。
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